国民総背番号制度などと言われて、マイナスイメージから始まったマイナンバー制度。
現在のように、いざコロナ禍という状況になってみたら、感染症対応で初の緊急事態宣言の発動や、給付金や助成金等支援策に係る申請において、オンライン手続の不具合、国と地方のシステムの不整合という事態が露呈し、マイナンバー制度があらためて見直されています。
情報漏洩というリスクを取るか、緊急時の迅速な対応を取るかという問題はありますが、諸外国と比べても、コロナ禍での緊急時の迅速な対応という面では明らかに後れを取ったことがわかりました。
私は無頓着にマイナンバー制度が始まるとすぐにマイナンバーカードを取得し(それがいいかどうかはわかりませんが)、青色申告をしています。
青色申告にマイナンバーカードは必要か?
絶対ではないが、使った方がベター
青色申告にマイナンバーカードは必要か? 絶対ではないが、使った方がベター
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- 最大65万円の青色申告特別控除はe-Taxを使うのが便利
- 青色申告の要件は3つ
- 事業所得か不動産所得、もしくは山林所得
- 複式簿記
- 貸借対照表および損益計算書
- 最大65万円の青色申告特別控除の要件はいずれか
- e-Tax
- 電子帳簿保存
最大65万円の青色申告特別控除はe-Taxを使うのが便利
- 最大65万円の青色申告特別控除はe-Taxを使うのが便利
最大65万円の青色申告特別控除はe-Taxを使うのが便利です。
青色申告の要件は3つで、事業所得か不動産所得、もしくは山林所得であること(山林所得の青色申告特別控除は10万円)、複式簿記で帳簿付けをすること、貸借対照表および損益計算書を確定申告書に添付することです。
そして最大65万円の青色申告特別控除の要件としては、e-Taxで確定申告をする、もしくは電子帳簿保存をすることです。
電子帳簿保存もさほど難しいものではありませんが、e-Taxの方がよりカンタンでかつメリットが多いです。

青色申告の要件は3つ
- 青色申告の要件は3つ
- 事業所得か不動産所得、もしくは山林所得
- 複式簿記
- 貸借対照表および損益計算書
青色申告の要件は3つです。
それは、事業所得か不動産所得、もしくは山林所得(山林所得の青色申告特別控除は10万円)であること、また複式簿記で帳簿付けをすること、そして確定申告を提出する際に、貸借対照表および損益計算書を添付することです。
最大65万円の青色申告特別控除の要件はいずれか
- 最大65万円の青色申告特別控除の要件はいずれか
- e-Tax
- 電子帳簿保存
最大65万円の青色申告特別控除の要件はe-Taxで確定申告をするか、もしくは電子帳簿保存をするか、のいずれかです。
電子帳簿保存もさほど難しいものではありません。


しかし、どちらかというとe-Taxの方がカンタンですし、メリットも多いです。
以前はe-Taxの設定が複雑で難しかったですが、最近はスマホでマイナンバーカードが読み取れるようになってきたり、マイナポータルアプリができるなど、まだまだ縦割り行政の弊害がありつつも、カンタンになってきました。
>スマホでマイナンバーカードが読み取れる件についてくわしくはこちら



結論:青色申告をするには、絶対ではないが、マイナンバーカードを使った方がベター
つまり、
- e-Taxを使うということはマイナンバーカードは必要である
- 青色申告をするには、絶対ではないが、マイナンバーカードを使った方がベター
なのです。
マイナンバーカードはどうやって取得するの? 交付申請→必要書類を揃える→マイナンバーカードを受け取る
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- マイナンバーカードの取得方法
- 交付申請
- 必要書類を揃える
- マイナンバーカードを受け取る
- マイナンバーカードの交付はおよそ1ヶ月後
(出典:総務省HP)
郵送された通知カードの下についている交付申請書または個人番号通知書を持っているか?
マインバーカードの交付申請書は、平成27年10月中旬以降、住民票を有する全ての住民に対し、簡易書留により郵送されました。
(出典:総務省HP)
マイナンバーは、赤ちゃんが生まれて、出生届を出して日本国内に住民票の登録が行われた時点で作成されます。
つまり、平成27年10月に生まれていれば、マインバーカードの交付申請書は郵送されてきていたはずです。
出生届を提出し、住民票が登録されると、2~3週間でマイナンバー通知カード、マイナンバーカード交付申請書が簡易書留で届きます。 |
交付申請書または個人番号通知書を持っている場合
- 申請方法は4つ
- スマートフォンで申請
- パソコンで申請
- 証明用写真機で申請
- 郵便で申請
申請方法は4つあります。
スマートフォンで申請、パソコンで申請、証明用写真機で申請、郵便で申請のいずれかです。
詳細な申請方法につきましては「マイナンバーカード交付申請」でGoogle検索、「マイナンバーカード交付申請」などと表示されます。
自分のマイナンバーがわかるか?
- マイナンバーは通知カード・個人番号通知書等に記載されている
- 交付申請書と封筒をダウンロードして郵便で申請
交付申請書または個人番号通知書を持っていて、自分のマイナンバーがわかるのであれば、交付申請書と封筒をダウンロードして郵便で申請します。
「個人番号カード交付申請書 兼 電子証明書発行/更新申請書 」とGoogle検索すると、「個人番号カード交付申請書 電子証明書発行/更新申請書 兼」などと表示されます。
交付申請書または個人番号通知書を持っていない場合
- 居住する市町村窓口でマイナンバーカード交付申請書の再発行
交付申請書または個人番号通知書を持っていない場合は、居住する市町村窓口でマイナンバーカード交付申請書の再発行を受けます。
※新型コロナウイルスにより市町村ごとに対応が違う可能性があるので注意
マイナンバーカード交付申請書の再発行が再発行されたら、上述「郵送された通知カードの下についている交付申請書または個人番号通知書を持っているか?」へ。
マイナンバーカードを作ったら青色申告するべきか? 最大65万円の青色申告特別控除が受けられる
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- 最大65万円の青色申告特別控除が受けられる
- マイナンバーカードがあればe-Taxできる
- e-Taxができれば青色申告できる
- ただし複式簿記も必要
マイナンバーカードを作ったら青色申告するべきか?というと、せっかくマイナンバーカードを作ったのですから、最大65万円の青色申告特別控除が受けられるべきです。
マイナンバーカードを作るといろいろと便利なことがあります。
- マイナンバーカードとマイナポータルでできること
- e-Taxで確定申告
- マイナンバーカードの健康保険証利用
- 認可保育所などへ入所などに使う就労証明書の作成
- 年金記録や将来受け取る年金の見込額がわかる
- その他、子育て、障害児、介護、被災者支援、乳幼児健診、法人設立、引っ越し、特定健診、薬剤情報、医療費情報、企業における社会保険・税手続き
>マイナンバーカードとマイナポータルでできることについてくわしくはこちら


最大65万円の青色申告特別控除が受けられる
最大65万円の青色申告特別控除が受けられるといってもなんのことやらサッパリわからんという方も多いのではないでしょうか?(私もそうでした)
確定申告で確定して申告するのは所得税 その所得税を青色申告特別控除によって少なくする
収入から経費を引いたものが所得ですが、その所得から各種控除を受けて、残った課税所得に所得税率をかけて所得税が決まります。


所得から引くことができる各種控除のうち、青色申告をして控除されるのが青色申告特別控除です。
マイナンバーカードがあればe-Taxできる
マイナンバーカードがあればe-Taxできます。
e-Taxは青色申告の必須要件のひとつです。
>e-Taxは青色申告の必須要件のひとつについてくわしくはこちら


e-Taxができれば青色申告できる
マイナンバーカードがあればe-Taxができ、e-Taxができれば青色申告ができます。
>e-Taxができれば青色申告できる件についてくわしくはこちら


ただし複式簿記も必要
マイナンバーカードがあればe-Taxでき、e-Taxができれば青色申告ができますが、まだ課題はあります。
それは複式簿記です。
日付 | 借方 | 貸方 |
8月26日 | 消耗品費 5,545円 | 未払金 5,545円 |
8月27日 | 旅費交通費 64,515円 | 現金 64,515円 |
9月6日 | 通信費 27,853円 | 未払金 27,853円 |
9月6日 | 商品売上 4,900円 | 商品Aの売上 4,900円 |
9月7日 | その他売上 239,900円 | 商品その他売上 239,900円 |
9月10日 | 消耗品費 20,000円 | 未払金 20,000円 |
9月10日 | 旅費交通費 76,865円 | 現金 76,865円 |
これは銀行口座の明細ですが、単純にはこれが単式簿記です。
日付 | お支払い | お預かり | お取引内容 | 差引残高 |
8月26日 | 5,545円 | 口座振替3 ミツイスミトモカ-ド | 280,269円 | |
8月27日 | 64,515円 | 口座振替3 ワイジエイカ-ド | 215,754円 | |
9月6日 | 27,853円 | 口座振替4 セゾン | 187,901円 | |
9月6日 | 4,900円 | 振込1 UCカ-ド | 192,801円 | |
9月7日 | 239,900円 | 振込2 ヤフ-ケツサイ | 432,701円 | |
9月10日 | 20,000円 | JCB JCB カ-ド | 412,701円 | |
9月10日 | 76,865円 | 電話 Dカ-ド | 335,836円 |
見やすくするとこんな感じ。
日付 | お支払い | お預かり | お取引内容 | 差引残高 |
8月26日 | 5,545円 | 消耗品費 | 280,269円 | |
8月27日 | 64,515円 | 旅費交通費 | 215,754円 | |
9月6日 | 27,853円 | 通信費 | 187,901円 | |
9月6日 | 4,900円 | 商品売上 | 192,801円 | |
9月7日 | 239,900円 | その他売上 | 432,701円 | |
9月10日 | 20,000円 | 消耗品費 | 412,701円 | |
9月10日 | 76,865円 | 旅費交通費 | 335,836円 | |
合計 | 194,778円 | 244,800円 |
これだけでも複式簿記が難しいものだということがわかると思います。
複式簿記を中心に難しい青色申告をカンタンにする方法は? クラウド会計ソフト
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- クラウド会計ソフトなら
- 複式簿記ができる
- e-Taxができる
- 確定申告書類や貸借対照表および損益計算書も自動できる
- 日々の収支管理もできる
複式簿記ができる
クラウド会計ソフトなら、銀行口座明細やクレジットカード明細を自動で取り込んで、勝手に複式簿記をしてくれます。
e-Taxができる
e-Taxもできます。
e-Taxもマイナポータルアプリや2次元バーコード(QRコード)認証で便利になりましたが、またまだサポート面で縦割り行政の弊害を感じます。
実際、私は税務署、国税局電話相談センター、e-Tax・作成コーナーヘルプデスク、マイナンバー総合フリーダイヤルとたらい回しにあいました。
>e-Tax設定 ヘルプデスクたらい回しについてくわしくはこちら


クラウド会計ソフトのサポートなら、より親切にe-Taxの設定も教えてくれます。
確定申告書類や貸借対照表および損益計算書も自動できる
自動で銀行口座やクレジットカード明細を取り込んで複式簿記をしてくれるわけですが、そのデータを利用して、そのまま自動で確定申告書類や貸借対照表および損益計算書を作成してくれます。
日々の収支管理もできる
クラウド会計ソフトなら日々の収支管理もできます。
実はこれが国税庁の確定申告書等作成コーナーやe-Taxソフトとの大きな違いです。
国税庁の確定申告書等作成コーナーやe-Taxソフトは、日々の収支を都度入力することができないのです。つまり収支管理もできないということです。
例えば令和5年(2023年)の確定申告では、令和4年(2022年)分の確定申告をすることになるのですが、国税庁の確定申告書等作成コーナーやe-Taxソフトが使えるようになるのは、令和5年(2023年)1月1日以降です(厳密には1月5日以降)。
さらに、当然自動で銀行口座やクレジットカード明細を取り込んでるわけでもなく、自分で合計金額を計算して入力します。
例えば収入、支出など、それぞれの明細を自分で手計算で計算するのです(実際はExcelなどを使用すると思いますが)。
そして、一番重要なのが、複式簿記をしてくれるわけではないということです。
確定申告のために、青色申告のために、簿記を勉強しますか?
そんな時間があったら、その時間は事業に充てるべきです。
私は3つのクラウド会計ソフトをすべて使ってレビューしています。

まとめ
青色申告にマイナンバーカードは必要か?ということでしたが、絶対ではありませんが、使う方がベターです。
マイナンバーカードはどうやって取得するのか?というと、 交付申請→必要書類を揃える→マイナンバーカードを受け取るの流れです。