事業所得と雑所得。
大きな違いは事業所得は青色申告できるが、雑所得は青色申告できないというものです。
最近それ以外にも大きな違いがあることがわかりました。
それはコロナ禍での事業復活支援金です。
事業所得であれば事業復活支援金がもらえる可能性がありますが、雑所得ではもらえません。
どういうことかというと、
例えば個人事業主として、生活の糧として事業を行っている人にとって、新型コロナウイルスの影響があると事業にもその影響は波及。生活に影響が出る、出ているということです。
またサラリーマンの副業などで主たる収入が別にあり、それを補填するための収入であれば、新型コロナウイルスの影響がそれほど生活に影響しない。ということでしょう。
事業所得と雑所得の違いとは?
9種の所得とそれ以外の雑所得
事業所得と雑所得の違いとは? 9種の所得とそれ以外の雑所得
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- 事業所得と雑所得の違いは
- 所得は10種類
- 9種類の所得以外は雑所得
- 事業所得には要件があり、それ以外は雑所得
- 税法上明確な基準はなし、総合的に実態を勘案し判断
- 事業所得は青色申告、雑所得は白色申告
事業所得と雑所得の違いは、まず所得は10種類あります。9種類の所得以外は雑所得です。
事業所得には、
- 継続した期間で安定した収入が得られる
- 儲かる可能性がある
- 相当な時間を費やしている
- 職業として認知されている
といった要件があり、その要件を満たしていないものは雑所得となります。
またどんな業種が事業所得になるかというと、
- 農業
- 漁業
- 製造業
- 卸売業
- 小売業
- サービス業
- その他の事業
といった業種が事業所得の業種にあたります。
雑所得とは、事業所得にあてはまらない所得ということになります。
雑所得の例としては、
- 副業に係る所得(原稿料やシェアリングエコノミーに係る所得など)
- FXでの収入
- ネットショップでの収入
- 公的年金等
- 印税・講演料
- 非営業用貸金の利子
- 公的年金等
といったものになります。
ただし、税法上明確な基準はなく、総合的に実態を勘案して判断されます。
事業所得とは?
事業所得の要件
事業所得とは、「継続した期間で安定した収入が得られる」「儲かる可能性がある相当な時間を費やしている」「職業として認知されている」などの要件を満たしているものです。
- 継続した期間で安定した収入が得られる
- 儲かる可能性がある
- 相当な時間を費やしている
- 職業として認知されている
10種類の所得
所得は10種類あります。
以下の9種類の所得以外の所得は雑所得ということになります。
- 利子所得
- 配当所得
- 不動産所得
- 事業所得
- 給与所得
- 退職所得
- 山林所得
- 譲渡所得
- 一時所得
※不動産の貸付けは不動産所得、山林の譲渡による所得は山林所得
事業所得の業種
事業所得の判断基準として業種も例示されています。
- 農業
- 漁業
- 製造業
- 卸売業
- 小売業
- サービス業
- その他の事業
雑所得とは?
雑所得の要件
雑所得の要件としては、
- 「9種類の所得」に当てはまらない所得
ということになります。
雑所得の例
雑所得は様々な所得が考えられますが、例えば以下のような所得です。
- 副業に係る所得(原稿料やシェアリングエコノミーに係る所得など)
- FXでの収入
- ネットショップでの収入
- 公的年金等
- 印税・講演料
- 非営業用貸金の利子
- 公的年金等
事業所得と雑所得の違い 税法上明確な基準はなし、総合的に実態を勘案し判断
上記のように、事業所得は細かく決められていて、また例示されていて、雑所得は事業所得以外のものということになります。
しかし、事業所得と雑所得の違いには税法上の明確な基準はなく、総合的に実態を勘案し判断されます。
事業所得は青色申告、雑所得は白色申告
事業所得と雑所得の違いで、実際にわたしたちに大きく関わる問題は、
- 事業所得は青色申告できる
- 雑所得は青色申告できない
というものです。
青色申告ができるのは、事業所得です。
さらに事業所得の中でも青色申告できるのは、
- 個人事業主の事業所得
- 不動産所得
- 山林所得
※山林所得のみの場合、65万円の青色申告特別控除はなく、10万円
です。
法人にも青色申告はある
法人にも青色申告はあります。
ただ最大65万円の青色申告特別控除といったものではなく、以下のような内容になります。
- 欠損金の繰越控除
- 欠損金の繰り戻し還付
- 少額減価償却資産の取得価額の損金算入
- 法人税額控除制度
事業所得なら青色申告がおススメ
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- 事業所得なら青色申告がおススメ
- 青色申告すれば最大65万円の青色申告特別控除が受けられる
- 青色申告をするには3つの大きなハードルがある
事業所得なら青色申告がおススメ
もし自分の所得が事業所得なら青色申告をすることがおススメです。
青色申告をすると最大65万円の青色申告特別控除が受けられるからです。
カンタンに説明すると、
収入から経費を引いたものが所得ですが、その所得から各種控除を受けて、残った課税所得に対して所得税率をかけて所得税が決まります。

青色申告をすると、所得から引く各種控除のうちのひとつが青色申告特別控除です。

青色申告すれば最大65万円の青色申告特別控除が受けられる
青色申告特別控除がどれくらいオトクなのかをシミュレーションしてみました。
年収 | 白色申告 | 青色申告 | 差額 |
2,000,000 | 101,000 | 0 | -101,000 |
4,000,000 | 317,000 | 159,000 | -158,000 |
6,000,000 | 543,000 | 385,000 | -158,000 |
8,000,000 | 796,000 | 610,000 | -186,000 |
10,000,000 | 1,074,000 | 874,000 | -200,000 |
12,000,000 | 1,433,000 | 1,174,000 | -259,000 |
14,000,000 | 1,794,000 | 1,535,000 | -259,000 |
16,000,000 | 2,163,000 | 1,904,000 | -259,000 |
18,000,000 | 2,531,000 | 2,299,000 | -232,000 |
20,000,000 | 2,870,000 | 2,652,000 | -218,000 |

青色申告をするには3つの大きなハードルがある
ただ、青色申告には3つの大きなハードルがあります。
- 複式簿記をすること
- e-Taxもしくは電子帳簿保存をすること
- 最大65万円の青色申告特別控除を理解すること
複式簿記をすること
複式簿記をすること。
これがもっとも大きなハードルです。
確定申告するには記帳、帳簿付けが必須となります。
帳簿付けをする際、単式簿記で帳簿付けするか?複式簿記で帳簿付けするか?ということになりますが、カンタンな単式簿記で帳簿付けをすると白色申告、複雑かつ難しい複式簿記で帳簿付けをすると青色申告ということになります。
日付 | お支払い | お預かり | お取引内容 | 差引残高 |
8月26日 | 5,545円 | 口座振替3 ミツイスミトモカ-ド | 280,269円 | |
8月27日 | 64,515円 | 口座振替3 ワイジエイカ-ド | 215,754円 | |
9月6日 | 27,853円 | 口座振替4 セゾン | 187,901円 | |
9月6日 | 4,900円 | 振込1 UCカ-ド | 192,801円 | |
9月7日 | 239,900円 | 振込2 ヤフ-ケツサイ | 432,701円 | |
9月10日 | 20,000円 | JCB JCB カ-ド | 412,701円 | |
9月10日 | 76,865円 | 電話 Dカ-ド | 335,836円 |
これは銀行口座の明細ですが、これが単式簿記です。
日付 | 借方 | 貸方 |
8月26日 | 消耗品費 5,545円 | 未払金 5,545円 |
8月27日 | 旅費交通費 64,515円 | 現金 64,515円 |
9月6日 | 通信費 27,853円 | 未払金 27,853円 |
9月6日 | 商品売上 4,900円 | 商品Aの売上 4,900円 |
9月7日 | その他売上 239,900円 | 商品その他売上 239,900円 |
9月10日 | 消耗品費 20,000円 | 未払金 20,000円 |
9月10日 | 旅費交通費 76,865円 | 現金 76,865円 |
上の銀行口座を複式簿記にするとこんな感じ。

後述しますが、この複式簿記を覚える必要はありません。
e-Taxもしくは電子帳簿保存をすること
青色申告の要件に「e-Taxもしくは電子帳簿保存をすること」というものがあります。
ぱっと見、「電子帳簿保存」が難しそうに感じるかもしれませんが、知ってみるとそれほど難しくもありません。

しかし電子帳簿保存よりe-Taxの方がカンタンかつメリットもあり、おススメです。
e-Taxも以前はとても設定が複雑で大変だったのですが、最近はだいぶカンタンに設定できるようになりました。

マイナンバーカードをスマホで読み取ることができるようにもなりました。
>マイナンバーカードをスマホで読み取る件についてくわしくはこちら
https://blue-return-blog.com/use-iPhone-as-an-ic-card-reader/
また2次元バーコード(QRコード)認証でiPhoneも便利に使えるようになりました。
>2次元バーコード(QRコード)認証についてくわしくはこちら

最大65万円の青色申告特別控除を理解すること
最後に、最大65万円の青色申告特別控除を理解することです。
繰り返しになりますが、
収入から経費を引いたものが所得ですが、その所得から各種控除を受けて、残った課税所得に対して所得税率をかけて所得税が決まります。

青色申告をすると、所得から引く各種控除のうちのひとつが青色申告特別控除です。

青色申告がトクなのはわかったからどうすればいい? クラウド会計ソフトを使うべき
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先述のとおり、例えば年収500万円だとすると、白色申告より青色申告の方が15万8000円の節税になるという試算結果がでました。
青色申告をするには複式簿記が必要です。複式簿記は難しい。青色申告に必須のe-Taxも設定が大変。
そこでおススメするのがクラウド会計ソフトです。
無料お試しがあります。またやよいの青色申告オンラインは1年間無料です。ただし無料お試しもやよいの青色申告オンラインの無料もサポートはついていません。
「カンタンカンタン」と言ってもサポートなしでは難しいです。サポートをつけるとだいたい月1,000円くらい。
年間1万2,000円と白色申告と青色申告の差額年間15万8000円。

まとめ
事業所得と雑所得の違いとは?ということでしたが、 10種の所得があり、9種類の所得以外は雑所得です。
事業所得なら青色申告がおススメです。