e-Taxや確定申告書等作成コーナーは、便利になればなるほど複雑になっていっています。
e-Taxを使うには確定申告書等作成コーナー、e-Taxソフト(WEB版)、e-Taxソフト(SP版)、e-Taxソフト(ダウンロード版)などがあり、それぞれ使う目的、できることが違います。
つまり「確定申告書等作成コーナーとe-Taxソフトの違いとは?」という疑問に対する答えとしては、e-Taxソフトと呼ばれるものには、e-Taxソフト(WEB版)、e-Taxソフト(SP版)、e-Taxソフト(ダウンロード版)があり、また確定申告書等作成コーナーを含め、それぞれe-Taxを使うシステムですので、同じe-Taxを使うシステムという意味では答えは「同じ」で、ただ「利用用途、利用目的は違う」ということになります。
確定申告書等作成コーナーとe-Taxソフトの違いとは?
確定申告で使う4つのシステム
確定申告書等作成コーナーとe-Taxソフトの違いとは? 確定申告で使う4つのシステム
|
- 確定申告書等作成コーナーとe-Taxソフトは、どちらも確定申告で使うシステム
- 確定申告書等作成コーナー
- e-Taxソフト(WEB版)
- e-Taxソフト(SP版)
- e-Taxソフト(ダウンロード版)
国税庁のシステムで確定申告を行うには4つのシステムがあります。
- 確定申告書等作成コーナー
- e-Taxソフト(WEB版)
- e-Taxソフト(SP版)
- e-Taxソフト(ダウンロード版)
確定申告書 | 青色申告 決算書 | パソコン e-Tax送信 | スマホ e-Tax送信 | 明細計算 | 確定申告 ソフト データ 取り込み | |
確定申告書等作成コーナー | 〇 | 〇 スマホでは× | 〇 | 青色×白色〇 | × | × |
e-Taxソフト(WEB版) | × | × | 〇 | × | × | 〇 |
e-Taxソフト(SP版) | × | × | × | △ | × | × |
e-Taxソフト | 〇 | 〇 | 〇 | × | × | 〇 |
クラウド 確定申告 ソフト | 〇 | 〇 | 〇 | 〇※ | 〇 | – |
※クラウド会計ソフトでスマホでe-Taxできるのはマネーフォワード クラウド会計とfreee会計と。やよいの青色申告オンラインは添付書類など一部制限アリ(2022年8月10日現在)。
e-Taxソフト(WEB版)、e-Taxソフト(SP版)、e-Taxソフト(ダウンロード版)をe-Taxソフトとして括ると「確定申告書等作成コーナーとe-Taxソフトの違いとは?」という疑問については、どちらも確定申告で使うシステムと表現することになるでしょう。
e-Taxソフト、確定申告書等作成コーナーには4つのシステムがある
- 確定申告書等作成コーナー
- e-Taxソフト(WEB版)
- e-Taxソフト(SP版)
- e-Taxソフト(ダウンロード版)
確定申告書 青色申告
決算書パソコン
e-Tax送信スマホ
e-Tax送信明細計算 確定申告
ソフト
データ
取り込み確定申告書等作成コーナー 〇 〇
スマホでは×〇 青色×白色〇 × × e-Taxソフト(WEB版) × × 〇 × × 〇 e-Taxソフト(SP版) × × × △ × × e-Taxソフト 〇 〇 〇 × × 〇 クラウド
確定申告
ソフト〇 〇 〇 〇※ 〇 –
※クラウド会計ソフトでスマホでe-Taxできるのはマネーフォワード クラウド会計とfreee会計と。やよいの青色申告オンラインは添付書類など一部制限アリ(2022年8月10日現在)。
上述のようにe-Taxソフト、確定申告書等作成コーナーは確定申告を行うための国税庁のシステムで、e-Taxソフトにはさらにe-Taxソフト(WEB版)、e-Taxソフト(SP版)、e-Taxソフト(ダウンロード版)があります。
それぞれ単純な違いとしては、
確定申告書等作成コーナーは、
- 確定申告申告書を作成できる
- 青色申告決算書を作成(青色申告できる)
- パソコンからもスマホからもe-Taxができる
ということになります。
e-Taxソフト(WEB版)は、
- パソコンからe-Taxができる
- 確定申告ソフトデータの取り込みができる
ということになります。
e-Taxソフト(SP版)は、
- 確定申告以外のe-Tax送信は2次元バーコード(QRコード)でできる。
ということになります。
e-Taxソフト(ダウンロード版)は、
- 確定申告申告書を作成できる
- 青色申告決算書を作成できる(青色申告できる)
ということになります。
e-Taxソフト、確定申告書等作成コーナー、4つのシステムを機能別に
確定申告書等作成コーナー、e-Taxソフト、4つのシステムを機能別にみてみます。
- 確定申告書を作成することができる
- 確定申告書等作成コーナー
- e-Taxソフト(ダウンロード版)
- 青色申告決算書を作成することができる、つまり青色申告ができる
- 確定申告書等作成コーナー
- e-Taxソフト(ダウンロード版)
- パソコンでe-Tax送信ができる
- 確定申告書等作成コーナー
- e-Taxソフト(WEB版)
- e-Taxソフト(ダウンロード版)
- スマホでe-Tax送信ができる
- 確定申告書等作成コーナー
- e-Taxソフト(SP版)
確定申告書を作成することができる
- 確定申告書等作成コーナー
- e-Taxソフト(ダウンロード版)
確定申告書を作成できるのは、確定申告書等作成コーナーと、e-Taxソフト(ダウンロード版)です。
青色申告決算書を作成することができる、つまり青色申告ができる
- 確定申告書等作成コーナー
- e-Taxソフト(ダウンロード版)
青色申告決算書ができる、つまり青色申告ができるのは、確定申告書等作成コーナー、e-Taxソフト(ダウンロード版)です。
ただし青色申告をするにはその他の条件もあります。

パソコンでe-Tax送信ができる
- 確定申告書等作成コーナー
- e-Taxソフト(WEB版)
- e-Taxソフト(ダウンロード版)
パソコンでe-Tax送信ができるのは、確定申告書等作成コーナー、e-Taxソフト(WEB版)、e-Taxソフト(ダウンロード版)です。
スマホでe-Tax送信ができる
- 確定申告書等作成コーナー
- e-Taxソフト(SP版)
スマホでe-Tax送信ができるのは、確定申告書等作成コーナー、e-Taxソフト(SP版)です。
ただし、e-Taxソフト(SP版)でできることはe-Tax送信です(確定申告書の送信はできない)。
e-Taxソフト、確定申告書等作成コーナー、4つのシステムを実際の運用面で考えると
- 確定申告書、青色申告決算書を作成してパソコンからe-Taxをする(青色申告をする)
- 確定申告書等作成コーナー
- e-Taxソフト(ダウンロード版)
- 確定申告書、青色申告決算書を作成してスマホからe-Taxをする
- 確定申告書等作成コーナー
- 確定申告書等作成コーナーもパソコンとスマホで違いがある
- パソコン版確定申告書等作成コーナーは青色申告できる
- スマホ版確定申告書等作成コーナーは白色申告しかできない
- パソコン版確定申告書等作成コーナーは青色申告決算書を作成できるが、スマホ版確定申告書等作成コーナーは青色申告決算書を作成できない
- クラウド会計ソフトやその他の会計ソフトで作成した確定申告書類のデータをパソコンからe-Taxをする
- e-Taxソフト(WEB版)
- e-Taxソフト(ダウンロード版)
e-Taxソフト、確定申告書等作成コーナー、4つのシステムを実際の運用面で考えてみます。
確定申告書、青色申告決算書を作成してパソコンからe-Taxをする(青色申告をする)
- 確定申告書等作成コーナー
- e-Taxソフト(ダウンロード版)
確定申告書、青色申告決算書を作成してパソコンからe-Taxをすることができるのは、確定申告書等作成コーナー、e-Taxソフト(ダウンロード版)です。
その際マイナンバーカードを読み込むにはICカードリーダーライターが必要になります。

確定申告書、青色申告決算書を作成してスマホからe-Taxをする
- 確定申告書等作成コーナー
確定申告書、青色申告決算書を作成してスマホからe-Taxができるのは、確定申告書等作成コーナーです。
パソコンとスマホは、スマホがAndoroidであればBluetoothか2次元バーコード(QRコード)認証、iPhoneであれば2次元バーコード(QRコード)認証となります。
>2次元バーコード(QRコード)認証についてくわしくはこちら

ちなみにe-Taxソフト(SP版)でスマホからできるのは、確定申告以外のe-Tax送信(確定申告書の送信はできない)です。
確定申告書等作成コーナーもパソコンとスマホで違いがある
- パソコン版確定申告書等作成コーナーは青色申告できる
- スマホ版確定申告書等作成コーナーは白色申告しかできない
- パソコン版確定申告書等作成コーナーは青色申告決算書を作成できるが、スマホ版確定申告書等作成コーナーは青色決算書を作成できない
確定申告書等作成コーナーもパソコンとスマホで違いがあり、パソコン版では青色申告決算書を作成することができるので青色申告ができます。
スマホ版確定申告書等作成コーナーは青色申告決算書を作成できないので青色申告ができません。
クラウド会計ソフトやその他の会計ソフトで作成した確定申告書類のデータをパソコンからe-Taxをする
- e-Taxソフト(WEB版)
- e-Taxソフト(ダウンロード版)
クラウド会計ソフトやその他の会計ソフトで作成した確定申告書類のデータを、パソコンからe-Taxできるのは、e-Taxソフト(WEB版)、e-Taxソフト(ダウンロード版)です。
クラウド会計ソフトの場合、パソコンにおいてはfreee会計、マネーフォワード クラウド会計、やよいの青色申告オンラインならあえて、e-Taxソフト(WEB版)、e-Taxソフト(ダウンロード版)を使用しなくても、それらのクラウド会計ソフトにe-Taxをする機能がついていますので、あえてクラウド会計ソフトで確定申告書類を作成して、e-Taxソフト(WEB版)、e-Taxソフト(ダウンロード版)でe-Taxをする必要性はあまりないと思います。
その他の会計ソフトを使用したり、Excelや手書きで確定申告書類を作成し、e-Taxしたいのであればe-Taxソフト(WEB版)、e-Taxソフト(ダウンロード版)を使用することになります。
e-Taxソフト、確定申告書等作成コーナー、4つのシステムをそれぞれ詳細に解説すると
|
- スマホでe-Taxで青色申告:クラウド会計ソフト(※)
- パソコンでe-Taxで青色申告:確定申告書等作成コーナー、e-Taxソフト(WEB版)、e-Taxソフト、クラウド会計ソフト
- スマホでe-Taxで白色申告:確定申告書等作成コーナー、クラウド会計ソフト
- パソコンでe-Taxで白色申告:確定申告書等作成コーナー、e-Taxソフト(WEB版)、e-Taxソフト、クラウド会計ソフト
確定申告書 | 青色申告 決算書 | パソコン e-Tax送信 | スマホ e-Tax送信 | 明細計算 | 確定申告 ソフト データ 取り込み | |
確定申告書等作成コーナー | 〇 | 〇 スマホでは× | 〇 | 青色×白色〇 | × | × |
e-Taxソフト(WEB版) | × | × | 〇 | × | × | 〇 |
e-Taxソフト(SP版) | × | × | × | △ | × | × |
e-Taxソフト | 〇 | 〇 | 〇 | × | × | 〇 |
クラウド 確定申告 ソフト | 〇 | 〇 | 〇 | 〇※ | 〇 | – |
※クラウド会計ソフトでスマホでe-Taxできるのはマネーフォワード クラウド会計とfreee会計と。やよいの青色申告オンラインは添付書類など一部制限アリ(2022年8月10日現在)。
>e-Taxソフト WEB版とSP版以外のシステムも含めたe-Tax&確定申告書等作成コーナーについてくわしくはこちら

確定申告書等作成コーナー
- スマホでe-Tax、青色申告はできない。白色申告もできない。
- パソコンでe-Tax、青色申告も白色申告もできる

e-Taxソフト(WEB版)
- パソコンでe-Tax、青色申告、白色申告は、クラウド会計ソフトからデータを取り込めばできる
- パソコンからe-Taxは2次元バーコード(QRコード)を使ってできる
- スマホでe-Tax、青色申告はできない。白色申告もできない。

e-Taxソフト(SP版)
- スマホでe-Tax、青色申告はできない。白色申告もできない。
- パソコンでe-Tax、青色申告はできない。白色申告もできない
- 確定申告以外のe-Tax送信は2次元バーコード(QRコード)でできる。

e-Taxソフト(ダウンロード型)
- スマホでe-Tax、青色申告はできない。白色申告もできない。
- パソコンでe-Tax、青色申告、白色申告ができる。
>e-Taxソフト(ダウンロード型)についてくわしくはこちら

クラウド会計ソフト
- スマホでe-Tax、青色申告ができる。白色申告もできる。(※)
- パソコンでe-Tax、青色申告ができる。白色申告もできる。
※クラウド会計ソフトでスマホでe-Taxできるのはマネーフォワード クラウド会計とfreee会計と。やよいの青色申告オンラインは添付書類など一部制限アリ(2022年8月10日現在)。

番外編:e-Taxソフト(WEB版)はサラリーマンの確定申告書は作れる
今回の記事を作成するにあたっては、2度にわたりe-Taxのヘルプデスクに問い合わせてみました。
Google検索で
|
と表示されます。
その際に教えてもらったことに、e-Taxソフト(WEB版)は確定申告書類や青色申告決算書は作れませんが、サラリーマンの医療費控除などの確定申告書は作れるということがありました。
冒頭にも書いたとおり、その他にも個人、法人の違いや、税目の違いで使える機能が違うようです。
今回は、あくまで個人事業主、フリーランスなどの人が青色申告をするという前提でまとめていますが、「スマホでe-Taxできた!」とサラリーマンの医療費控除などしかできないのに、さも個人事業主、フリーランスなどの人がスマホでe-Taxできるかのような表現が脳裏に焼き付いていたので、聞いてみた次第です。
e-Taxを使えば最大65万円の青色申告特別控除が受けられる
|
最大65万円の青色申告特別控除の条件は、e-Taxによる申告または電子帳簿保存
e-Taxを使えば65万円の青色申告特別控除が受けられる
確定申告について、最大65万円の青色申告特別控除を受けるためには、e-Taxによる申告または電子帳簿保存が必要です。
単純に言えば、e-Taxを使えば65万円の青色申告特別控除が受けられるということになります。

e-Taxを使えば最大65万円の青色申告特別控除
結局10万円の増額 個人事業主、フリーランスなどの青色申告特別控除額と基礎控除額
2020年から、青色申告特別控除は個人事業主、フリーランスなどは最大65万円になりました。
それは青色申告特別控除額と基礎控除額の合わせ技によります。

e-Tax&国税庁の確定申告書等作成コーナーはダメ
|
e-Tax&国税庁の確定申告書等作成コーナーがダメな点
- e-Tax&国税庁の確定申告書等作成コーナーの設定が複雑怪奇
- 複式簿記をしてくれるわけではない
- 日常的に売上、経費などを入力できない
- 日常的に売上、経費などを管理できない
e-Taxの設定が複雑怪奇
e-Taxは設定はとても複雑です。

複式簿記をしてくれるわけではない
e-Tax&国税庁の確定申告書等作成コーナーは複式簿記をしてくれるわけではありません。
つまり最大65万円の青色申告特別控除を受けようと思ったら、自分で複式簿記をしなければなりません。


日常的に売上、経費などを入力できない
今回、確定申告書等作成コーナーをわかりやすく解説してみた中でも紹介しましたが、国税庁の確定申告書等作成コーナーは、確定申告をする年にならないと会計年度が更新されません。
例えば2023年(令和5年)に2022年(令和4年)の分について確定申告をしようとすると、2023年(令和5年)にならないと、2022年(令和4年)分を国税庁の確定申告書等作成コーナーに入力することができないのです。
日常的に売上、経費などを管理できない
日常的に売上、経費などを入力できないということは、クラウド会計ソフトのように日常的に売上、経費などを管理することもできません。
つまり2022年(令和4年)中に、2022年(令和4年)に発生した売上、経費を発生都度、入力したり、管理したりしようとしてもできません。
まとめ
確定申告書等作成コーナーとe-Taxソフトの違いとは?ということでしたが、 確定申告で使う4つのシステムを説明してみました。
確定申告書等作成コーナー、e-Taxソフト、4つのシステムをそれぞれ詳細に解説しました。
e-Taxを使えば最大65万円の青色申告特別控除が受けられます。
e-Tax&国税庁の確定申告書等作成コーナーはダメだと思います。