確定申告会場でLINE入場整理券。
聞いたときは「国税庁もなかなかやるな」と偉そうに思ったものです。
マイナンバーカード普及(と今考えてみるとマイナンバーカードを普及させるのは、マイナンバーカードを普及させるだけが目的ではなく、確定申告を含め縦割り行政の弊害であった省庁間、自治体、行政間を横に串刺しにするというメリットもある)ばかりが目立っていた印象でしたが、このようなカタチで新型コロナウイルス対策をしてくるとは思ってもいませんでした。
実は私、LINEはアカウントを持っているだけで使っていないという絶滅危惧種なのですが、今回確定申告におけるLINEの入場整理券についてまとめてみました。
確定申告 LINEの整理券のやり方は?
友だち追加、相談を申し込む、税務署・希望日時を選択、申込完了→会場で提示
確定申告 LINEの整理券のやり方は? 友だち追加、相談を申し込む、税務署・希望日時を選択、申込完了→会場で提示
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- 確定申告 LINEの整理券のやり方は4ステップ
- 友だち追加
- 相談を申し込む
- 税務署・希望日時を選択
- 申込完了→会場で提示
(出典:名古屋国税局HP)
友だち追加
LINEアプリで国税庁LINE公式アカウントを友だち追加します。
- LINEアプリで国税庁LINE公式アカウントを友だち追加は2つの方法
- 国税庁LINE公式アカウントQRコードから
- LINEのホーム画面で「国税庁」または「@kokuzei」と検索
「相談を申し込む」を選択
税務署・希望日時を選択
申込完了→会場で提示
入場時に会場で申込完了画面を提示します。
(出典:名古屋国税局HP)
80%以上が申告会場に来場せずに確定申告
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- 80%以上が申告会場に来場せずに確定申告
- e-Tax
- 郵送
- 税理士
既に80%以上の方が、確定申告会場に来場せずに確定申告しています。
最大の感染対策は密を避けることです。ご自身やご家族の健康を守るためにも、確定申告会場へのご来場をお考えの方は、今一度、「自宅からのe-Tax」をご検討ください。(出典:国税局HP)
新型コロナウイルスの蔓延を受け、国税上は上記のように案内をしています。
ここではe-Taxを勧めていますが、80%以上が全部e-Taxであるとは考えにくいです。
そこで、e-Tax以外の方法を考えると、それは郵送、税理士という可能性があると思います。
e-Tax
e-Taxはマイナンバーカードを使って自宅やスマホなどから確定申告をするシステムです。
最大65万円の青色申告特別控除の要件のひとつにもなっています。
e-Taxのメリット
- 最大65万円の青色申告特別控除の適用要件
- 自宅でできる
- 24時間できる(例外あり)
- 提出書類の省略
- 還付が早い
e-Taxのデメリット
- 設定が複雑怪奇
- スマホもしくはICカードリーダーライターが必要
- 国税庁の確定申告書等作成コーナー&e-Taxは使い勝手が悪い


郵送
郵送のメリット
- 税務署に行かなくていい
- 返信用封筒を同封すれば受付印を押した申告書を返送してもらえる
郵送のデメリット
- 税務署の税務職員にその場でチェックしてもらえない
- 受付印を押した申告書をその場でもらえない
郵送の注意点
- 確定申告書類は第一種郵便物または信書で送付
- 宅配便はダメ(ゆうパック、ゆうメール、ゆうパケット、クリックポストもダメ)
- 提出日は消印の日付
- 書類の不備に注意
- 添付書類は添付書類用の台紙に

税理士
おカネに余裕があれば税理士にお願いするのが一番です。
特に確定申告にとられている時間を事業に充てることで、税理士への報酬以上の収入が得られる人は間違いなく一択でしょう。
税理士に頼むメリット
- ほぼ99.9%間違いがない
税理士に頼むデメリット
- 人によっては高い
税理士費用目安 | |
売上 | 税理士料金 |
500万円未満 | 10万円 |
500万円以上1000万円未満 | 15万円 |
1000万円 | 20万円 |
確定申告会場とは?どこで相談、申告できるの? ベルサール渋谷等特設会場や各税務署
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- 確定申告会場は
- ベルサール渋谷等特設会場
- 各税務署
LINEの入場整理券が使える確定申告書とは、つまり
ベルサール渋谷等特設会場
確定申告時期には各税務署が合同で確確定申告会場を設ける場合があります。
その形態は様々で、各税務署が合同で確定申告会場を設けて、各税務署では確定申告の相談、申告を一切受けない。
各税務署が合同で確定申告会場を設けながら、各税務署でも確定申告の相談、申告を受け付ける。
各税務署が合同で確定申告会場を設けながら、各税務署で確定申告はできても相談はできない。
各税務署が合同で確定申告会場を設けながら、確定申告時期、またその前後に期間を区切って、合同確定申告会場のみ、税務署のみ、相談のみ、申告のみと複雑に受け付ける。
などです。
なお、ベルサール渋谷以外でも、日石横浜ホール、ウインクあいち(名古屋)、 さいたまスーパーアリーナ、梅田スカイビル、広島クレドなど、アズテックミュージアムなどの、特設会場があります。
確定申告会場については、「確定申告会場」とGoogle検索をすると、「令和〇〇年分確定申告期の確定申告会場のお知らせ – 国税庁」などと表示されます。
なお令和〇〇年分というのは、例えば令和5年(2023年)に確定申告する場合、申告するのは令和4年(2022年)分ですので、「令和4年分確定申告期の確定申告会場のお知らせ – 国税庁」となります。



各税務署
もちろん、各税務署で確定申告をするのが基本です。
ただし、上述のように特設会場を設ける税務署の中では、税務署自身において相談ができない、確定申告ができない、申告はできるが相談はできないなど、いろいろと受け付け方が違いますので事前に確認することをおススメします。
また自分がどこの税務署で確定申告するか?という問題ですが、「住所地を管轄する税務署」ということになります。
Google検索で「税務署」と検索すると、「税務署の所在地などを知りたい方 – 国税庁」などと表示されます。
①に郵便番号をいれたり、②に住所(例えば千代田区霞が関)を入力すると、
このように表示されます。
Withコロナを考えるとやはり確定申告会場には行かない方がいいのでは? e-Taxがおススメ
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結論から言うと、確定申告会場に行かずに確定申告するには、e-Taxがベターです。
税理士、e-Tax、郵送の三択だが、カネさえあれば税理士一択
先述のとおり、確定申告会場に行かずに確定申告をするには3つの方法が考えられます。
それは、税理士、e-Tax、郵送です。
繰り返しになりますが、おカネがある人は税理士一択です。
確定申告に費やす時間を事業に充てましょう。
あとはe-Taxが郵送かということになりますが、郵送のデメリットである、税務職員に相談しながら確定申告できない、その場で確定申告書類を確認してもらえない。という点では同じです。
e-Taxと郵送の大きな違い
- 最大65万円の青色申告特別控除
- 国税庁の確定申告書等作成コーナーやe-Taxソフトを使ってよりカンタンに確定申告書が作れる
- クラウド会計ソフトを使えば複式簿記、クレジットカード明細・銀行口座明細の自動取得、日々の収支管理も
最大65万円の青色申告特別控除
青色申告をするのであれば、という前提になりますが、最大65万円の青色申告特別控除が受けられます。
最大65万円の青色申告特別控除の要件のひとつにe-Taxもしくは電子帳簿保存というものがあり、e-Taxを使うと、青色申告特別控除の要件をひとつクリアすることになります。
年収 | 白色申告 | 青色申告 | 差額 |
2,000,000 | 101,000 | 0 | -101,000 |
4,000,000 | 317,000 | 159,000 | -158,000 |
6,000,000 | 543,000 | 385,000 | -158,000 |
8,000,000 | 796,000 | 610,000 | -186,000 |
10,000,000 | 1,074,000 | 874,000 | -200,000 |
12,000,000 | 1,433,000 | 1,174,000 | -259,000 |
14,000,000 | 1,794,000 | 1,535,000 | -259,000 |
16,000,000 | 2,163,000 | 1,904,000 | -259,000 |
18,000,000 | 2,531,000 | 2,299,000 | -232,000 |
20,000,000 | 2,870,000 | 2,652,000 | -218,000 |

国税庁の確定申告書等作成コーナーやe-Taxソフトを使ってよりカンタンに確定申告書が作れる
確定申告会場に行く理由が、税務職員に確定申告についての相談をするというのであればまだ理解できるのですが、もし確定申告書類を提出するためだけに確定申告会場に行くとなると、ちょっと理解に苦しみます。
例えば確定申告書を手書きで作るのでしょうか?Excelなどを使って作るのでしょうか?
国税庁の確定申告書等作成コーナーやe-Taxソフトを使えばよりカンタンに確定申告書類を作成することができます。
さらに確定申告書等作成コーナーなら、そのままe-Taxで提出できますし、e-Taxソフトもその種類によってはe-Taxで提出することができます。
確定申告書 | 青色申告 決算書 | パソコン e-Tax送信 | スマホ e-Tax送信 | 明細計算 | 確定申告 ソフト データ 取り込み | |
確定申告書等作成コーナー | 〇 | 〇 スマホでは× | 〇 | 青色×白色〇 | × | × |
e-Taxソフト(WEB版) | × | × | 〇 | × | × | 〇 |
e-Taxソフト(SP版) | × | × | × | △ | × | × |
e-Taxソフト | 〇 | 〇 | 〇 | × | × | 〇 |
クラウド 確定申告 ソフト | 〇 | 〇 | 〇 | 〇※ | 〇 | – |
確定申告相談を電話でしてみませんか?
私も記事を書くのにわからないことがあるとよく電話をします。
どこの税務署でもいいので電話をかけると、各国税局に設置する「国税局電話相談センター」というところにつながります。
Google検索で「税務署」と検索すると、「税務署の所在地などを知りたい方 – 国税庁」などと表示されます。
どこでもいいので税務署に電話をすると「国税局電話相談センター」というところにつながります。
もしくは、
Google検索で「国税局電話相談センター」と検索すると「国税に関するご相談について – 国税庁」などと表示されます。
「電話で相談する(国税局電話相談センターのご案内)をクリックします。
その他にもチャットボット(ふたば)というチャットでの相談窓口もあります。
また「タックスアンサー(よくある税の質問)」というQ&Aもあります。
クラウド会計ソフトを使えば複式簿記、クレジットカード明細・銀行口座明細の自動取得、日々の収支管理も
さらにクラウド会計ソフト使えばもっとカンタンです。
サポートも国税庁と比べて親切丁寧です。
クラウド会計ソフトと国税庁の確定申告書等作成コーナーやe-Taxソフトを比較すると、
- 複式簿記ができる(青色申告ができる)
- クレジットカード明細・銀行口座明細の自動取得
- 日々の収支管理ができる
複式簿記ができる(青色申告ができる)
日付 | 借方 | 貸方 |
8月26日 | 消耗品費 5,545円 | 未払金 5,545円 |
8月27日 | 旅費交通費 64,515円 | 現金 64,515円 |
9月6日 | 通信費 27,853円 | 未払金 27,853円 |
9月6日 | 商品売上 4,900円 | 商品Aの売上 4,900円 |
9月7日 | その他売上 239,900円 | 商品その他売上 239,900円 |
9月10日 | 消耗品費 20,000円 | 未払金 20,000円 |
9月10日 | 旅費交通費 76,865円 | 現金 76,865円 |
クレジットカード明細・銀行口座明細の自動取得
クレジットカードや銀行口座と連携させて、自動明細を取り込んでくれます。
より単純化するには事業用のクレジットカードと銀行口座を持っているべきですが、自動で取り込んだクレジットカードや銀行口座の明細を仕訳します。
仕訳は初めは自分でやらなければならない場合が多いですが、決まった取引先などなら登録しておけばあとは自動で仕訳。一応確認しながらポチポチボタンを押すだけです。
そしてその仕訳されたデータは、自動で上述のように複式簿記され、さらに確定申告書も青色申告決算書も自動で作成してくれるというわけです。
e-Taxもより丁寧なサポートが
もちろんe-Taxもできます。
国税庁の確定申告書等作成コーナーやe-Taxソフトにも、税務署、国税局電話相談センター、e-Tax・作成コーナーヘルプデスク、マイナンバー総合フリーダイヤル、といったサポートがありますが、どちらかというと縦割り行政でたらい回しにあう傾向です。
その点クラウド会計ソフトのサポートならワンストップ。対応も親切、丁寧です。
日々の収支管理ができる
国税庁の確定申告書等作成コーナーやe-Taxソフトの難点は、確定申告をする年にならないとシステムが更新されないということです。
例えば令和5年(2023年)に令和4年(2022年)分の確定申告をしようとしたとします。
国税庁の確定申告書等作成コーナーやe-Taxソフトだと、その令和4年(2022年)分の、例えば収入や支出を入力できるのが、令和5年(2023年)1月1日以降(厳密には令和5年(2023年)1月4日以降)となってしまうのです。
その点クラウド会計ソフトなら、前年(例えば令和5年(2023年)の確定申告なら令和4年(2022年)分)の確定申告が終わっていれば、いつでも(令和4年(2022年)中からも)収入や支出などを入力できるので、コツコツと確定申告の準備ができるだけでなく、日々収支の管理をすることもできるのです。

まとめ
確定申告 LINEの整理券のやり方は? ということでしたが、友だち追加、相談を申し込む、税務署・希望日時を選択、申込完了→会場で提示です。
80%以上が申告会場に来場せずに確定申告をしている件につき、残りの20%がどうすべきかを考えてみました。
確定申告会場について、どこで相談、申告できるのか?ですが、ベルサール渋谷等特設会場や各税務署などです。