令和4年(2022年)1月から2次元バーコード(QRコード)認証が便利になります。
そもそもe-Taxで2次元バーコード(QRコード)認証が使えるということ自体知らない人も多いのではないでしょうか。
なぜなら、2次元バーコード(QRコード)認証は、令和3年(2021年)の確定申告期間中に突然はじまったサービスだからです。その際、2次元バーコード(QRコード)認証に対応したのはe-Taxソフト(WEB版)、e-Taxソフト(SP版)でした。
今回、令和4年(2022年)1月から便利になるのは、パソコン版確定申告書等作成コーナーに対応したということです。
ちょっとコアな内容になるかもしれませんが、スマホとe-Tax、Bluetooth、2次元バーコード(QRコード)認証についてまとめてみたいと思います。
スマホとe-Taxの関係は?
Bluetoothと2次元バーコード(QRコード)認証と
スマホとe-Taxの関係は? Bluetoothと2次元バーコード(QRコード)認証と
スマホとe-Tax、Bluetooth、2次元バーコード(QRコード)認証の関係について、結論から言うと、
- AndroidはBluetoothが使える
- iPhoneはBluetoothが使えない
- iPhoneはBluetoothが使えないから2次元バーコード(QRコード)認証を使う
ということになります。
スマホでe-Taxが使えればいいんじゃない?
と、思う人もいるでしょう。私もそう思います。
しかし、もしなぜ今まで同じNFC対応スマホとして列挙されながら、AndroidとiPhoneでできる機能が違ったのか?
それに疑問を持つ方もいるかもしれません。
AndroidとiPhone、Bluetooth、2次元バーコード(QRコード)認証の関係
AndroidとiPhone、Bluetooth、2次元バーコード(QRコード)認証の関係を表にしてみました。
Android | iPhone | |
Bluetooth | 〇 | × |
2次元バーコード(QRコード)認証 | 〇 | 〇 |
なぜ2次元バーコード(QRコード)認証がはじまったのか?
これまでの経緯をまとまると、まずe-Taxにおいてマイナンバーカード方式がはじまりました。
次にID・パスワード方式がはじまりました。
ID・パスワード方式はe-Tax普及、マイナンバーカード普及のための暫定的なものです。
それまでマイナンバーカード方式においてはICカードリーダーライターが使われていました。
さらにe-Tax普及を促進するためにNFC対応スマホが登場しました。
まずはAndroidがNFC対応スマホとなりました。
さらにiPhoneが追加されました。

こうしてスマホでマイナンバーカードを読み取らせることができるようになりました。
パソコンのICカードリーダーライターとして考えると、AndroidはBluetoothで接続していました。
これに対してiPhoneはBluetooth接続ができません。
つまりiPhoneはパソコンのICカードリーダーライターとしては使えなかったのです。
一方、スマホ版確定申告書等作成コーナーにおいては、AndroidもiPhoneもアプリは介さなければならないものの、直接マイナンバーカードを読み取らせてe-Tax送信していました。
つまりBluetoothは必要なかったのです。
このような状況で、令和3年(2021年)の確定申告期間中に2次元バーコード認証がはじまりました。
この時の2次元バーコード認証対応はe-Taxソフト(WEB版)とe-Taxソフト(SP版)です。
さらに今度は令和4年(2022)の1月からは、パソコン版確定申告書等作成コーナーで2次元バーコード認証が使えるようになります。
どれがBluetoothでどれが2次元バーコード(QRコード)認証か?
それらの内容をまとめたのが以下の表です。
◎2次元バーコード(QRコード)認証
○Bluetooth
●そのままスマホで
iPhone | Android | |
パソコン版 確定申告書等作成コーナー | ◎ | 〇◎ |
スマホ版 確定申告書等作成コーナー | ● | ● |
e-Taxソフト(WEB版) | ◎ | 〇◎ |
e-Taxソフト(SP版) | ◎ | ◎● |
ダウンロード版e-Taxソフト | × | × |
つまり、パソコン版確定申告書等作成コーナーにおいては、もともとAndroidは、Bluetooth接続により、パソコンのICカードリーダーライターとして使えていました。そして今後は2次元バーコード認証でもパソコンのICカードリーダーライターとして使えます。
これに対し、iPhoneはBluetooth接続により、パソコンのICカードリーダーライターとして使えていませんでしたが、令和4年(2022年)1月から2次元バーコード認証でパソコンのICカードリーダーライターとして使えます。
スマホ版確定申告書等作成コーナーにおいては、もともとスマホでスマホ版確定申告書等作成コーナーを使うわけで、そのままそのスマホでマイナンバーカードを読み取ってe-Tax送信ができていたわけです。もちろんBluetoothは関係ありません。それはAndroidでもiPhoneでも同じことです。
e-Taxソフト(WEB版)は、令和3年(2021年)の確定申告期間中に2次元バーコード認証に対応したので、すでにAndroidでもiPhoneでも2次元バーコード(QRコード)認証でパソコンのICカードリーダーライターとして使えている。e-Tax送信ができることになります。
e-Taxソフト(SP版)も、令和3年(2021年)の確定申告期間中に2次元バーコード認証に対応したので、すでにAndroidでもiPhoneでも2次元バーコード(QRコード)認証でパソコンのICカードリーダーライターとして使えている。e-Tax送信ができることになります。
ダウンロード版e-Taxソフトはまだ、そして令和4年(2022年)1月からも2次元バーコード認証に対応しません。
>確定申告書等作成コーナー、各e-Taxソフトについてくわしくはこちら

ついでに各確定申告書等作成コーナー、各e-Taxソフトで青色申告ができるか? 単体だとパソコン版確定申告書等作成コーナーしかできない
結論から言うと、各確定申告書等作成コーナー、各e-Taxソフトで青色申告ができるか?については、
単体だとパソコン版確定申告書等作成コーナーしかできない
ということになります。
青色申告 | 白色申告 | |||||
Android | iPhone | IC | Android | iPhone | IC | |
パソコン版 確定申告書等 作成コーナー | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
スマホ版 確定申告書等 作成コーナー | × | × | × | 〇 | 〇 | × |
e-Taxソフト(WEB版) | △ | △ | △ | △ | △ | △ |
e-Taxソフト(SP版) | × | × | × | × | × | × |
ダウンロード版e-Taxソフト | 〇 | × | 〇 | 〇 | × | 〇 |
クラウド 確定申告ソフト※ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
※ICはICカードリーダーライター
※クラウド会計ソフトのスマホアプリでe-Tax送信に対応しているのは確定申告書freeeとマネーフォワード クラウド会計
>確定申告書等作成コーナー、各e-Taxソフトについてくわしくはこちら

パソコン版確定申告書等作成コーナー
青色申告できる
パソコン版確定申告書等作成コーナーは青色申告決算書を作成でき、そのままe-Tax送信ができるので、青色申告ができます。
今まではiPhoneがBluetooth接続できなかったため、Androidしか青色申告できませんでした。
しかし今回、令和4年(2022年)1月から2次元バーコード(QRコード)認証が使えるようになりますので、iPhoneでも青色申告ができるようになります。
スマホ版確定申告書等作成コーナー
青色申告できない
こちらはスマホで表示される確定申告書等作成コーナーですので、Bluetooth、2次元バーコード(QRコード)認証関係なく、そのままマイナンバーカードを読み取ってe-Tax送信できます。
しかし、スマホ版確定申告書等作成コーナーは青色申告決算書を作成する機能がないため、青色申告はできません。
e-Taxソフト(WEB版)
クラウド会計ソフトのデータを取り込めば青色申告できる
e-Taxソフト(WEB版)は確定申告書等を作成する機能がありません。
ですので、単体では青色申告はできません。
しかし、クラウド会計ソフトのデータ取込機能があります。
クラウド会計ソフトのデータを取り込み、e-Tax送信すれば青色申告できます。
e-Taxソフト(WEB版)は、もともとAndroidをICカードリーダーライターとして使えていたので、e-Tax送信ができました。
また、令和3年(2021年)の確定申告期間中に2次元バーコード認証に対応したため、iPhoneをICカードリーダーライターとして使って、e-Tax送信ができます。
e-Taxソフト(SP版)
青色申告できない
e-Taxソフト(SP版)はそもそも確定申告書類等の作成もクラウド会計ソフトのデータ取り込んでe-Tax送信することもできません。
ということで、青色申告はできません。
e-Taxソフト(SP版)は、利用者情報の登録・確認・変更、申請・納税の手続、送信結果・お知らせの確認等しかできません。
ダウンロード版e-Taxソフト
青色申告できるがiPhoneをICカードリーダーライターとしては使えない
ダウンロード版e-Taxソフトは青色申告決算書を作成することができます。
またICカードリーダーライターや、Bluetoothを使ってAndroidでマイナンバーカードを読み取らせe-Tax送信することができます。
よって青色申告はできます。
ただし、2次元バーコード認証には対応していないため、iPhoneをICカードリーダーライター代わりにしてマイナンバーカードを読み取らせe-Tax送信することはできません。
クラウド会計ソフト
青色申告できる
クラウド会計ソフトは、自動で銀行口座明細やクレジットカード明細を取り込んで、複式簿記をしてくれるので、青色申告決算書も自動で作成されます。
e-Taxソフト(WEB版)の機能を使って、ICカードリーダーライターでマイナンバーカードを読み取らせ、e-Tax送信することができます。
よって、青色申告できます。
またe-Taxソフト(WEB版)はクラウド会計ソフトのデータ取込ができるので、e-Taxソフト(WEB版)でAndroidを使って、マイナンバーカードを読み取らせ、e-Tax送信することができます。
またiPhoneも2次元バーコード認証に対応しているので、マイナンバーカードを読み取らせ、e-Tax送信することができます。
スマホは?
freee会計、マネーフォワード クラウド会計
基本的にパソコンでfreee会計、マネーフォワード クラウド会計で、e-Taxソフト(WEB版)の機能を使って、ICカードリーダーライターでマイナンバーカードを読み取らせ、e-Tax送信することができます。
つまり、e-Taxソフト(WEB版)の2次元バーコード認証を使えば、freee会計、マネーフォワード クラウド会計から、ICカードリーダーライターでマイナンバーカードを読み取らせ、e-Tax送信することができます。
また、freee会計、マネーフォワード クラウド会計にはスマホアプリが用意されていて、そのスマホアプリ内で青色申告決算書を作成し、そのままスマホでマイナンバーカードを読み取らせ、e-Tax送信することができます。
またfreee会計、マネーフォワード クラウド会計をパソコンで使って確定申告書類を作成し、スマホにfreee会計、マネーフォワード クラウド会計それぞれのスマホアプリをインストールし、スマホアプリからe-Tax送信することができます。
やよいの青色申告オンライン
基本的にパソコンでやよいの青色申告オンラインで、e-Taxソフト(WEB版)の機能を使って、ICカードリーダーライターでマイナンバーカードを読み取らせ、e-Tax送信することができます。
つまり、e-Taxソフト(WEB版)の2次元バーコード認証を使えば、やよいの青色申告オンラインから、スマホでマイナンバーカードを読み取らせ、e-Tax送信することができます。
ただし、freee会計、マネーフォワード クラウド会計のように、青色申告決算書を作成できるスマホアプリが用意されていないため、スマホで青色申告決算書を作成して、そのままスマホでマイナンバーカードを読み取らせ、e-Tax送信することはできません。
またfreee会計、マネーフォワード クラウド会計のようにパソコンで使って確定申告書類を作成し、スマホにスマホアプリをインストールし、スマホアプリからe-Tax送信するということはできません。
>確定申告書等作成コーナー、各e-Taxソフトについてくわしくはこちら

2次元バーコード(QRコード)認証でBlutoothの問題が解決したからクラウド会計ソフトはいらないんじゃ? 確定申告書等作成コーナーや各e-Taxソフトでできることはクラウド会計ソフトでできるし、クラウド会計ソフトじゃないとできないことがある
iPhoneがBluetoothの問題で使える機能に制限があったが、令和4年(2022年)1月から2次元バーコード認証がパソコン版確定申告書等作成コーナーで使えるようになったので、クラウド会計ソフトはいらないんじゃないか?と思うかもしれません。
しかし以下の点で、それでもクラウド会計ソフトは便利です。
- スマホアプリでスマホだけで青色申告できる
- 銀行口座明細やクレジットカード明細を自動で取り込む
- 自動で複式簿記
- 日々明細を取り込んでくれる
- 収支管理ができる
逆を言うと、確定申告書等作成コーナーや各e-Taxソフトは以下ができません。
- スマホだけで青色申告できない
- 売上、経費などを自分で計算して合計金額を入力
- 複式簿記は自分でする
- 会計年度をまたがないと入力できない
- 収支管理ができない
ということになります。
まだちょっとムリがあるとしても、クラウド会計ソフトはスマホアプリを使って、スマホで青色申告ができます(やよいの青色申告オンラインは不可)。

クラウド会計ソフトの銀行口座明細やクレジットカード明細取り込みは、とてもラクです。確定申告書等作成コーナーや各e-Taxソフトでは、自分で合計金額を計算して入力します。
複式簿記については、とても大きなところですが、複式簿記を自分でするか?、ソフトに任せるか?です。
クラウド会計ソフトは勝手に複式簿記をしてくれます。確定申告書等作成コーナーや各e-Taxソフト自分で複式簿記です。

クラウド会計ソフトは、銀行口座明細やクレジットカード明細を日々取り込んでくれますが、確定申告書等作成コーナーや各e-Taxソフトは、年度とまたがないと入力できません。
具体的に言うと、例えば令和3年(2021年)分を令和4年(2022年)に確定申告しようとしたとします。クラウド会計ソフトは令和3年(2021年)中から売上や経費が発生する都度、自動で取り込まれますが、確定申告書等作成コーナーや各e-Taxソフトは、令和3年(2021年)分は、令和4年(2022年)1月4日にならないと入力できないのです。
>まだまだ使えない確定申告書等作成コーナーや各e-Taxソフトについてくわしくはこちら

クラウド会計ソフトは銀行口座明細やクレジットカード明細を日々取り込んでくれる。確定申告書等作成コーナーや各e-Taxソフトは、年度とまたがないと入力できない。
つまりクラウド会計ソフトは日々収支管理ができますが、確定申告書等作成コーナーや各e-Taxソフトはできません。

まとめ
スマホとe-Taxの関係は? ということでしたが、Bluetoothと2次元バーコード(QRコード)認証を中心にまとめてみました。
ついでに各確定申告書等作成コーナー、e-Taxソフトで青色申告ができるか?ですが、 単体だとパソコン版確定申告書等作成コーナーしかできません。
2次元バーコード(QRコード)認証でBlutoothの問題が解決したので、クラウド会計ソフトは不要なのかというと、確定申告書等作成コーナーや各e-Taxソフトでできることはクラウド会計ソフトでできますし、クラウド会計ソフトじゃないとできないことがあります。