副業元年なんて言葉を聞きましたが、いつのことだったかと調べてみると、2018年(平成30年)だったそうです。
私の間隔だと、Twitterやインスタで「カンタンに稼げる副業」などと、そもそもその詐欺的商法が副業なのでは?と感じていました。
さて、最近YouTubeを見始めてアベプラなどをみていると、たまに副業も話題に出ます。そこで言われているのは、余裕のある会社で余裕のある勤務、時間に余裕があるから副業。能力があるからプラスアルファ年収みたいな。
実際どうなのかな?とググってみると「成功者は1%」とか書いてあります(とこれを読んでいるのは1%の成功者か?)。
まあわけあって私は今こんなことをやっていますが、サラーリマン時代のことを考えると「副業なんてやる暇があったら残業減らしてくれ」「副業なんかやる暇があったら睡眠時間をくれ」などと思っていました。
実際、超有能で毎日定時上がりだけど年収1,000万超、通勤時間は30分。とか、超最先端IT企業で勤務時間さえ成果主義で、週に1時間働くだけで会社から神様扱いされているような人は、副業もアリかな?(とすでに副業をやる必要もなしだと思うが…)。
と脱線しましたが、副業でも確定申告が必要な人は青色申告にも魅力を感じるでしょう。
でも片手間で心身ともにプラスしかなくて、ぼろ儲けの副業じゃないなら、本業頑張りましょう(と、まだ言うか)。
副業は青色申告できない?
できないことはないがハードルは高い
副業は青色申告できない? できないことはないがハードルは高い
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副業は青色申告できないのか?というと、結論から言うと、
できないことはないがハードルは高い
ということになります。
基本的に副業の青色申告のハードルは高い理由は?
基本的に副業の青色申告のハードルは高い理由は?
サラリーマンなどの給与所得者の副業は基本的に雑所得
だからです。
雑所得と事業所得の違い
雑所得と事業所得の違いを超カンタンに書くと
雑所得とは
- 原稿料
- モデル料
- オークションでの利益
- フリーマーケットの利益
- アフリエイト収入
など
雑所得と事業所得の違いをややカンタンに書くと
雑所得とは
- 給与所得や事業所得、不動産所得など9種類の所得に、当てはまらないもの
事業所得とは
- 継続した期間で安定した収入が得られる
- 儲かる可能性がある
- 相当な時間を費やしている
- 職業として認知されている
青色申告できる所得、できない所得
青色申告できる所得 |
事業所得 |
不動産所得 |
山林所得 |
青色申告できない所得 |
給与所得 |
退職所得 |
譲渡所得 |
利子所得 |
配当所得 |
一時所得 |
雑所得 |
雑所得と事業所得の違いをきちんと書くと
雑所得
利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得及び一時所得のいずれにも該当しない所得
事業所得
農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業で所得税法施行令で定めるものから生ずる所得(山林所得又は譲渡所得に該当するものを除く。)

青色申告しない選択肢は? 白色申告
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後述の様に税務署に問い合わせたり、とりあえず開業届を出してみたりと、青色申告にチャレンジすることも必要だと思います。
しかし、副業を青色申告するにはハードルは高いです。
副業を青色申告しないのであれば、どうすればいいのか?ということですが、結論から言うと、
白色申告をする
ということになります。
どちらにしても20万円を超えれば確定申告は必要になります。
その際、青色申告以外の選択肢は何か?というと、白色申告になるのです。
はじめてであれば白色申告でさえ抵抗があるのでは・・・
私ははじめての確定申告でいきなり青色申告だったので、白色申告の経験はありません。
私のはじめての青色申告はクラウド会計ソフトでしたので、クラウド会計ソフトを使わない苦労というのも実感としてはわかりません。
しかし、サラーリマン時代に医療費控除の確定申告(還付申告)を経験したことがあります。
その時は確定申告書等作成コーナーを使いましたが、それなりに苦労した記憶があります。
もし青色申告ができない。でも白色申告でもアレルギーを感じる。ということであれば、クラウド会計ソフトに白色申告用というものもあります。
これもまた白色申告のハードルを下げてくれるものになるでしょう。

副業を青色申告でチャレンジする方法は? 開業する、青色申告する
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副業を青色申告するには事業所得である必要があります。
しかし事業所得であるには、一定の事業の条件を満たす必要があります。
それは、事業的規模や、継続的な取引があるなどです。
開業して事業所得として認められなくてもペナルティはない
開業して事業所得として認められなくてもペナルティはありません。
まずはムダな労力を割く前に、自分の副業の状況が事業所得として認められるか?を税務署に聞いてみるべきでしょう。
役所などでよくありがちですし、100%明確なラインというものがないので、管轄の税務署に聞いてみましょう。
Google検索で「国税局・税務署を調べる – 国税庁」と検索すると、「国税局・税務署を調べる – 国税庁」と検索結果が出てきます。
事業所得と雑所得の判例があります
税務署に事業所得として申告したところ、雑所得とされた事例についての判例があります。
Google検索で「(平成26年9月1日裁決) | 公表裁決事例等の紹介 | 国税不服審判所」と検索、「(平成26年9月1日裁決) | 公表裁決事例等の紹介 | 国税不服審判所」と表示れます。
自己の危険と計算において独立して行う業務であり、営利性・有償性を有し、かつ、反復継続して業務を遂行する意思と社会的地位とが客観的に認められるものであると解される。 |
(出典:国税不服審判所HP)
要は以下が満たされているか否かで事業所得か雑所得かは判断されるということです。
- 自己の危険と計算において独立して行う業務
- 営利性・有償性を有し
- 反復継続して業務を遂行する意思
- 社会的地位とが客観的
青色申告をするメリット、デメリット
青色申告と白色申告のメリット
青色申告 | 白色申告 | |
65万円の青色申告特別控除 | 〇 | × |
青色事業専従者給与を必要経費に | 〇 | × |
純損失の繰越しと繰戻し | 〇 | × |
貸倒引当金を計上できる | 〇 | × |
記帳方法がカンタン | × | 〇 |
青色申告と白色申告のデメリット
青色申告 | 白色申告 | |
控除が少ない | 〇 | × |
記帳方法が複雑 | × | 〇 |

開業届を出す
もし管轄の税務署が「事業所得」だと認めるのであれば、開業届を出しましょう(担当者の名前は聞いておいた方がいいと思います)。
青色申告のために開業届を出すということは、青色申告承認申請書も出すという意味になります。
開業届提出にあたっては、私の経験談を記事にしています。

無料でカンタンに開業届や青色申告承認申請書が作成できるのでオススメです。
青色申告のやり方
青色申告の目的というのは、一番大きなところで最大65万円の青色申告特別控除を受けるということになります。
最大65万円の青色申告特別控除を受けるには3つの大きなハードルがあります。
それは、
- 青色申告特別控除を理解すること
- 難しい複式簿記をやること
- 複雑なe-Taxの設定をクリアすること
です。
青色申告特別控除を理解すること
年収 | 白色申告 | 青色申告 | 差額 |
2,000,000 | 101,000 | 0 | -101,000 |
4,000,000 | 317,000 | 159,000 | -158,000 |
6,000,000 | 543,000 | 385,000 | -158,000 |
8,000,000 | 796,000 | 610,000 | -186,000 |
10,000,000 | 1,074,000 | 874,000 | -200,000 |
12,000,000 | 1,433,000 | 1,174,000 | -259,000 |
14,000,000 | 1,794,000 | 1,535,000 | -259,000 |
16,000,000 | 2,163,000 | 1,904,000 | -259,000 |
18,000,000 | 2,531,000 | 2,299,000 | -232,000 |
20,000,000 | 2,870,000 | 2,652,000 | -218,000 |
>最大65万円の青色申告特別控除のシミュレーションについて詳しくこちら

難しい複式簿記をやること
これが単式簿記
日付 | お支払い | お預かり | お取引内容 | 差引残高 |
8月26日 | 5,545円 | 消耗品費 | 280,269円 | |
8月27日 | 64,515円 | 旅費交通費 | 215,754円 | |
9月6日 | 27,853円 | 通信費 | 187,901円 | |
9月6日 | 4,900円 | 商品売上 | 192,801円 | |
9月7日 | 239,900円 | その他売上 | 432,701円 | |
9月10日 | 20,000円 | 消耗品費 | 412,701円 | |
9月10日 | 76,865円 | 旅費交通費 | 335,836円 | |
合計 | 194,778円 | 244,800円 |
これが複式簿記
日付 | 借方 | 貸方 |
8月26日 | 消耗品費 5,545円 | 未払金 5,545円 |
8月27日 | 旅費交通費 64,515円 | 現金 64,515円 |
9月6日 | 通信費 27,853円 | 未払金 27,853円 |
9月6日 | 商品売上 4,900円 | 商品Aの売上 4,900円 |
9月7日 | その他売上 239,900円 | 商品その他売上 239,900円 |
9月10日 | 消耗品費 20,000円 | 未払金 20,000円 |
9月10日 | 旅費交通費 76,865円 | 現金 76,865円 |

複雑なe-Taxの設定をクリアすること
条件によりすべてではありませんが、以下の項目をクリアする必要があります。
|
これらをクリアするには、クラウド会計ソフトのサポートを頼るべきです。

そもそも確定申告が必要な副業とは? 20万円超
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確定申告が必要な副業とは、その副業の金額が20万円超です。
あえて「金額」がと書きました。
理由は以下です。
副業がパート・アルバイトで | 収入 | が20万円を超える |
副業がパート・アルバイト以外で | 所得 | が20万円を超える |
副業がパート・アルバイト+事業などで | 所得 | が20万円を超える |
ここでも問題となるのが、
- その副業が他社のパート・アルバイトであるか?
- その副業が事業、不動産、株式投資など事業であるか?
- その副業が他社のパート・アルバイトもあり事業、不動産、株式投資もあるか?
で、20万円を超える基準が変わるということです。
それは、副業がパート・アルバイトであれば収入であり、副業がパート・アルバイト以外や、副業がパート・アルバイト+事業などであれば所得であるからです。
収入と言うのは経費を引いていないものです。
所得と言うのは経費を引いたものです。
例えば収入が50万円あって、経費が30万であれば所得は20万円です。
一方副業がパート・アルバイトの場合は収入なので20万円です。
これは一見、事業の方が課税対象額が少なく済むように思えますが、そもそもサラーリマン同様、副業がパート、アルバイトなどは経費そのものがありません(例えば店舗の制服をイメージすればわかると思います。制服はたいてい貸与です)。

副業が20万円を超えなくても住民税の申告は必要
副業が20万円を超えなくても所得控除の申告は必要です。
なぜなら、通常確定申告や年末調整を行うと、税務署から市町村などの自治体に、確定申告や年末調整の所得の情報が共有されます。
ところが、副業が20万円を超えないと確定申告をしないので、確定申告や年末調整→税務署から市町村などの自治体というルートが絶たれるわけです。
ですので、納税者自らが市町村などの自治体に申告をしなければならないのです。
所得控除にかかわる所得を自分で申告しなければならない理由は日本が申告納税制度だからです。
青色申告できなくても確定申告は必要? 確定申告をしないとペナルティが
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さて副業が事業所得にあたらないと青色申告ができないことがわかりました。
青色申告ができなくても収入や所得が20万円を超える場合は確定申告をしなければならないことに変わりはありません。
では、もし収入や所得が20万円を超えた場合に、確定申告をしなかった場合にはどうなるか?ということですが、そこにはペナルティがあります。
- 無申告加算税
- 延滞税
無申告加算税
確定申告は2月16日から3月15日までです(土日祝日に当たる場合はその翌日)。
3月15日までに(土日祝日に当たる場合はその翌日)確定申告をしないと、無申告加算税が課されます。
納付税額が50万円まで | 15% |
納付税額のうち50万円を超える部分 | 20% |
税務署の調査を受ける前に自主的に期限後申告をした場合 | 5% |
無申告加算税の税率は累進課税のようになっていて、納付額によって変わります。
例えば納付額が200万円の場合は、50万円までが15%、50万円超200万円までのおよそ150万円は20%となります。つまり単純に7.5万円(50万円×15%)+30万円(150万円×20%)=37.5万円となります。
一番無難なのが「税務署の調査を受ける前に自主的に期限後申告をした場合」の5%ですので、気づいても放置せずに、なるべく早く自ら期限後申告をするべきです。
ちなみに後述の延滞税も、法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて課されますので、いずれにせよ早く対処すべきです。
延滞税
所得税の確定申告の法定納期限は3月15日です(土日祝日に当たる場合はその翌日)。
納期限までに納税しないと延滞税が課されます。
延滞税は7.3%~14.6%です。
延滞税は法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて課されます。
ですので、こちらも無申告加算税同様、気づいたらなるべく早く納税するべきです。
副業は会社にバレるのか? バレると考えていた方が無難
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よくGoogle検索をしていると、検索候補に「副業 バレる」などと表示されます。
要は副業したいけど、会社に内緒で副業したらバレるのか?が知りたいのだと思います。
結論から言うと、
バレると考えていた方が無難
ということになります。
副業が会社にバレる
まず副業が会社にバレる理由ですが、
先述の所得控除が関係します。
順を追って説明しますと、会社は年末調整をします。
年末調整とは簡単に言うと、確定申告を会社が代わりに行ってくれることです。
本来、例えば個人事業主、フリーランスなどであれば、確定申告をすると所得などの情報が市町村などの自治体に共有され、市町村などの自治体が所得控除を計算します。
個人事業主、フリーランスなどには所得控除の納付書が届きますので、自分で納付します(普通徴収と言います)。
サラーリマンの場合、確定申告に代わる年末調整で所得の情報は税務署に送られます。
個人事業主、フリーランスなど同様、その所得などの情報が市町村などの自治体に共有され、市町村などの自治体が所得控除を計算します。
さらに、その所得控除の情報は会社に共有され(住民税決定通知書)、会社はそれを元にサラーリマンの給与から天引きします。天引きした所得控除は、会社から市町村などの各自治体に納付します(特別徴収と言います)。
ということで、市町村などの各自治体から送られてくる住民税決定通知書には所得が記載されているので、ここで会社以外の所得があることがバレる可能性があるのです。
また住民税決定通知書に記載されている所得控除の金額でもバレる可能性があります。
だいたいこれくらいの給料の人はこれくらいの所得控除だと決まっているわけですから、所得を見なくても、同じような給与の人で突出して所得控除が高ければ不審に思われるかもしれません。
住民税決定通知書に目隠しのシールを貼るなどの秘匿措置をとっている自治体もあるようですが、秘匿措置を取っていない可能性もある。
また給与管理上データ化されていて、所得や所得控除が一覧で見れる可能性もある。
給与担当者が有能で、意図的にチェック、もしくは無意識にでも、給与と所得のバランス、給与と所得控除のバランスがおかしいことに気づく。
さらにその給与担当者が意地悪な人で、それを会社に報告する。
そうでなくても、会社が副業に目を光らせていて、給与担当者がその指示の元チェックをしている。
いろいろと考えられます。



結論:認められているのであれば副業を会社に申告する 認められていないのであればやらない
結論から言うと、
- 認められているのであれば副業を会社に申告する
- 認められていないのであればやらない
ということになります。
結局、会社に内緒で副業することは、会社にバレるリスクはあるわけで、たまたまバレなくてもいつバレるかわからないわけです。
会社で認められているということがどういうことかというと、それは就業規則に書かれているということです。
逆に就業規則で禁止されていれば、禁止です。
そこで会社にバレて、懲戒などなんらかの処分があっても文句は言えません。
どうしても会社で禁止されている副業をしたいのであれば、転職するしかありません。
余談になりますが、ネットでもSNSでも「副業、副業」と言われていて、ろくなサラーリマン経験もない、たまたま運よくネットやSNS界隈で成功(それさえ怪しいですが)したような人が「副業できない会社に勤めているなら転職すべき!」などと言っているのを見かけます。
運悪くサラーリマン経験豊富で転職経験も豊富な私から言わせてもらうと、「まず本業を頑張りましょう。転職するなら本業のために転職しましょう。副業のために転職なんて本末転倒です」と言っておきます。
まとめ
副業は青色申告できない?ということでしたが、できないことはないがハードルは高いです。
副業を青色申告でチャレンジする方法は、開業して、青色申告します。
そもそも確定申告が必要な副業とはどんなものかというと、収入もしくは所得が20万円超の副業です。
青色申告できなくても確定申告は必要です。 確定申告をしないとペナルティがあります。
副業は会社にバレるのか? については、バレると考えていた方が無難です。