喜びもつかの間、納税という義務が発生します。
所得税を納税するためには確定申告が必要です。
確定申告といえば、青色申告です。
いままで、サラリーマンとして働いていて、個人事業主、フリーランスなどになるなんて思いもよらなかった。たいていの人はがそうだと思います。
だから青色申告というのは言葉では知っていても、なんとなく自分とは関係ない言葉だったのではないでしょうか。
私もそうでした。
青色申告が何かというと、単純には最大65万円の青色申告特別控除を受けられ、節税になるということです。
どうせ確定申告するのであれば青色申告を目指したいものです。
そんな青色申告で確定申告するやり方は?
青色申告で確定申告するやり方は?
最大65万円の青色申告特別控除を目指せば自ずとそのやり方はわかる
- 青色申告で確定申告するやり方は? 最大65万円の青色申告特別控除を目指せば自ずとそのやり方はわかる
- 具体的な青色申告で確定申告するやり方は? 開業届作成ソフト、クラウド会計ソフト
- 青色申告をするにあたって理解しておいた方がいいことは? 青色申告特別控除、複式簿記、e-Taxの難しさの理解
- 青色申告と白色申告の違いってなに?見た目? 最大65万円の青色申告特別控除を受けられるか
- 確定申告の計算方法は? 確定申告をすると、所得税、住民税、国民健康保険税が決まる
- 確定申告をなるべくわかりやすくカンタンに説明します
- 確定申告のいつからいつまで
- 青色申告がトクなのはわかったからどうすればいい? クラウド会計ソフトを使うべき
- まとめ
青色申告で確定申告するやり方は? 最大65万円の青色申告特別控除を目指せば自ずとそのやり方はわかる
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青色申告で確定申告するやり方は、結論から言うと、
最大65万円の青色申告特別控除を目指せば自ずとそのやり方はわかる
です。
青色申告をする目的は、最大65万円の青色申告特別控除を受けることでしょう(条件によっては10万円)。
となると、青色申告で確定申告するやり方とは、最大65万円の青色申告特別控除を受けるやり方ということになります。
具体的な青色申告で確定申告するやり方は? 開業届作成ソフト、クラウド会計ソフト
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青色申告には3つの大きなハードルがあります。
それは、
- 青色申告特別控除を理解すること
- 難しい複式簿記をやること
- 複雑なe-Taxの設定をクリアすること
です。

その3つの大きなハードルをクリアして確定申告をするやり方で、私が実際に行った、行っている方法をご紹介します。
まず開業届、青色申告承認申請書は無料の開業届、青色申告承認申請書作成ソフトを使いました。
複式簿記については、おカネがあれば税理士に任せたいところですが、クラウド会計ソフトを使っています。自動で銀行明細、クレジットカード明細を取り込んで、勝手に複式簿記をしてくれます。
e-Taxの設定については、クラウド会計ソフトのサポートに助けてもらいました。e-Taxはクラウド会計ソフトの会社のシステムではないので、100%、すべてを頼ることはできませんが、私はそれで乗り越えました。
最大65万円の青色申告特別控除を受けられる青色申告のやり方は? 開業の届け出→複式簿記→e-Tax
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では、最大65万円の青色申告特別控除を受けられる青色申告のやり方は?というと、まず開業届と青色申告承認申請書の提出、そして複式簿記による青色申告書類の作成、e-Taxによる青色申告、確定申告となります(e-Taxの代わりに電子帳簿保存でも可)。
開業届と青色申告承認申請書の提出
青色申告をするためには開業届と青色申告承認申請書を提出する必要があります。
ここでポイントはすぐに提出するということです。
特に青色申告承認申請書の提出は、開業から原則2ヶ月以内、開業が1月1日から1月15日の場合3月15日です。
開業届は厳密には提出期限は1ヶ月以内ですが、罰則もなく、また提出していなくても、確定申告をすることによって開業届を提出したことになるという、ゆる~い規定です。
これに対し青色申告承認申請書は厳密です。上記、開業から原則2ヶ月以内、開業が1月1日から1月15日の場合3月15日に提出をしないと、青色申告ができません。
例えば2022年(令和4年)の確定申告で青色申告をしよう思ったら、2021年(令和3年)中に開業、2021年(令和3年)の1月1日から1月15日開業であれば、2021年(令和3年)3月15日までに、2021年(令和3年)の1月16日以降であれば2ヶ月以内に青色申告承認申請書を提出する必要があった(ある)のです。つまり最遅で2021年(令和3年)の12月31日の開業で、2022年(令和4年)2月28日に青色申告承認申請書を提出です。
これに遅れるとその年の確定申告では青色申告ができません。白色申告になってしまいます。
またその年の確定申告が白色申告になってしまい、翌年に青色申告をしたいと思ったときも、同じくポイントはすぐに提出するということになります。
例えば2022年(令和4年)に青色申告したかったところ、青色申告承認申請書の提出が遅れたことによって白色申告になってしまった場合。2023年(令和5年)に青色申告したいのであれば、2022年(令和4年)の3月15日までに青色申告承認申請書を提出する必要があります。
ですので、まず開業から青色申告を目指すのであれば原則2ヶ月以内(1月1日から1月15日は3月15日)までに青色申告承認申請書を提出する。白色申告から青色申告に変えたい時は、青色申告をしたい年の前年の3月15日までに青色申告承認申請書を提出しなければなりません。
つまり、忘れてしまうことも考えたら、事業を開始したら売上があろうがなかろうが、すぐに青色申告承認申請書を提出する。また忘れてしまったときは、翌年のためにすぐに青色申告承認申請書を提出するべきです。

開業届、青色申告承認申請書を無料でカンタンに作る
開業届、青色申告承認申請書を無料でカンタンに作れるソフトがあります。
私も実際に開業届、青色申告承認申請書をソフトで作って開業しました。青色申告しました。
特にデメリットはないのでおススメです。
>私が無料の開業届、青色申告承認申請書作成ソフトで開業した記事はこちら

複式簿記による青色申告書類の作成
結論から言うと、
複式簿記に頭を悩ませているヒマがあったら本業に注力すべし
ということになります。
複式簿記はとっつきにくく、また実際に難しいもの。
言葉としては聞いていたものの、私がはじめてその言葉を強く意識したのは、開業した年に案内が届いた税務署による記帳指導でした。
税務署による記帳指導で説明をしていた税務職員も「複式簿記は個人ではムリ」と言っていました。
>税務職員が複式簿記は個人ではムリと言っていた記帳指導についてはこちら

では、複式簿記とは実際どういうものか?ということですが、カンタンに言うと、
- 複式簿記は単式簿記より細かく収支を管理する
- 単式簿記は銀行口座明細レベル、単式簿記はカネの出入りがわかるから経営にも役立つ
ということになります。
これが単式簿記
日付 | お支払い | お預かり | お取引内容 | 差引残高 |
8月26日 | 5,545円 | 消耗品費 | 280,269円 | |
8月27日 | 64,515円 | 旅費交通費 | 215,754円 | |
9月6日 | 27,853円 | 通信費 | 187,901円 | |
9月6日 | 4,900円 | 商品売上 | 192,801円 | |
9月7日 | 239,900円 | その他売上 | 432,701円 | |
9月10日 | 20,000円 | 消耗品費 | 412,701円 | |
9月10日 | 76,865円 | 旅費交通費 | 335,836円 | |
合計 | 194,778円 | 244,800円 |
これが複式簿記
日付 | 借方 | 貸方 |
8月26日 | 消耗品費 5,545円 | 未払金 5,545円 |
8月27日 | 旅費交通費 64,515円 | 現金 64,515円 |
9月6日 | 通信費 27,853円 | 未払金 27,853円 |
9月6日 | 商品売上 4,900円 | 商品Aの売上 4,900円 |
9月7日 | その他売上 239,900円 | 商品その他売上 239,900円 |
9月10日 | 消耗品費 20,000円 | 未払金 20,000円 |
9月10日 | 旅費交通費 76,865円 | 現金 76,865円 |
複式簿記については、別記事にてなるべくカンタンに説明してみました。

複式簿記を意識せずに複式簿記をしたい
<青色申告のために複式簿記をするにあたって、一番カンタンなのは税理士におまかせすることです。
しかし税理士は高い。そして複式簿記を自分で勉強しているヒマがあれば、その時間は本業に費やすべきですし、費やしたいところです。
結果的にどういうことになるかというと、
複式簿記を意識せずに複式簿記をしたい
ということになるでしょう。
一見矛盾するこの問題を解決するのは、クラウド会計ソフトです。
銀行口座明細やクレジットカード明細を自動で取り込んで複式簿記をしてくれます。
e-Taxによる青色申告、確定申告
私が単純に今、e-taxで頭に浮かぶのは、スマホでマイナンバーカードを読み込ませる時に、最近のスマホの高性能カメラが出っ張っていて、しかもスマホの機種ごとに(メーカーごとならまだマシ)読み込ませ方(マイナンバーカードとスマホの向きや場所が違う)が違うことです。
それはちょっと余談として、e-taxで一番困るのは設定が難しいこと。
e-Tax設定どう難しいのか?
e-tax設定どう難しいのか?ですが、
- やるべきことが多すぎる
- ヘルプデスクが縦割りたらい回し
ということです。
ざっとe-taxの設定に関わるもの羅列していました。
やるべきことが多すぎ
|
もちろん、必要なもの、不要なものがあります。それにしても見ただけでイヤになりませんか?私は思い出しただけでトラウマです。

ヘルプデスクが縦割りたらい回し
きちんとヘルプデスクが用意されているのは、逆にビックリでもあります。
どんなヘルプデスクがあるかというと、
- 税務署
- 国税局電話相談センター
- e-tax・作成コーナーヘルプデスク
- マイナンバー総合フリーダイヤル
などです。
しかし、例えばe-Tax関連で言えば担当省庁は国税庁です。マイナンバーカードの担当省庁は総務省です。
私もこれらの税務署、国税局電話相談センター、e-Tax・作成コーナーヘルプデスク、マイナンバー総合フリーダイヤルに電話をかけてみましたが、やはり縦割りでたらい回しにあいました(予想していたので、ショックは少なかったです)。

避けられない複雑なe-Tax設定の裏ワザとは?
裏ワザというほどのことでもないのですが、どうすれば複雑なe-Taxをよりスムーズに設定できるかというと、クラウド会計ソフトの
サポートに助けてもらう
ということです。
わたしはそうして、複雑なe-Tax設定をよりカンタンにクリアしました。ただ言っておきたいのは100%頼ったり、過度に期待しないことです。
クラウド会計ソフトの会社としても、ユーザーがきちんと青色申告ができないとそれはそれで困るわけです。だからある程度は助けてくれます。
しかし、前述の縦割り行政ほどではないにしても、そもそもe-Taxのシステムを作ったのはクラウド会計ソフトの会社ではないので、そこは十分認識した上でということになります。
青色申告をするにあたって理解しておいた方がいいことは? 青色申告特別控除、複式簿記、e-Taxの難しさの理解
|
青色申告で確定申告するやり方についてみてきました。
開業届、青色申告承認申請書を提出して、複式簿記をする。そしてe-Tax送信をします。
一部重複しますが、これらの青色申告に必須の事項について、ざっくりと解説します。
要は、青色申告特別控除とはなんなのか?複式簿記とは?難しいe-Taxの設定は?という内容になります。
青色申告をするにあたって理解しておいた方がいい3つのハードルについて、詳しくは別記事にしています。

最大65万円の青色申告特別控除を理解する
最大65万円の青色申告特別控除がどれくらいオトクなのかをカンタンにシミュレーションしてみました。
年収 | 白色申告 | 青色申告 | 差額 |
2,000,000 | 101,000 | 0 | -101,000 |
4,000,000 | 317,000 | 159,000 | -158,000 |
6,000,000 | 543,000 | 385,000 | -158,000 |
8,000,000 | 796,000 | 610,000 | -186,000 |
10,000,000 | 1,074,000 | 874,000 | -200,000 |
12,000,000 | 1,433,000 | 1,174,000 | -259,000 |
14,000,000 | 1,794,000 | 1,535,000 | -259,000 |
16,000,000 | 2,163,000 | 1,904,000 | -259,000 |
18,000,000 | 2,531,000 | 2,299,000 | -232,000 |
20,000,000 | 2,870,000 | 2,652,000 | -218,000 |
※単位円
※やよいの青色申告オンラインのかんたん税金計算シミュレーションにて試算(青色申告のシミュレーションサイトはこちら)
※経費率は個人事業主、フリーランスなどの一般的な経費率50%で計算
※控除は配偶者控除、社会保険料控除、医療費控除
※社会保険料控除の国民健康保険税は江戸川区の江戸川区国民健康保険料シミュレーションで試算
※社会保険料控除の国民年金保険料は令和3年(2021年)の保険料
青色申告がどれだけトクかシミュレーションできるサイトがあります
スモビバ個人事業主、フリーランスなどのかんたん税金計算シミュレーション
青色申告特別控除は法改正によって2020年から最大65万円になっている
2020年から、法改正により青色申告の控除額は65万円になっています(厳密には元々65万円でした)。
>最大65万円の青色申告特別控除のシミュレーションについて詳しくこちら

難しい複式簿記を理解する
- 複式簿記は単式簿記より細かく収支を管理する
- 単式簿記は銀行口座明細レベル、単式簿記はカネの出入りがわかるから経営にも役立つ
複式簿記は、単式簿記と比べると理解しやすいです。
単式簿記は銀行口座の明細
一番わかりやすい例としては、銀行口座の明細が単式簿記です。
日付 | お支払い | お預かり | お取引内容 | 差引残高 |
8月26日 | 5,545円 | 口座振替3 ミツイスミトモカ-ド | 280,269円 | |
8月27日 | 64,515円 | 口座振替3 ワイジエイカ-ド | 215,754円 | |
9月6日 | 27,853円 | 口座振替4 セゾン | 187,901円 | |
9月6日 | 4,900円 | 振込1 UCカ-ド | 192,801円 | |
9月7日 | 239,900円 | 振込2 ヤフ-ケツサイ | 432,701円 | |
9月10日 | 20,000円 | JCB JCB カ-ド | 412,701円 | |
9月10日 | 76,865円 | 電話 Dカ-ド | 335,836円 |
銀行口座を単式簿記にしました。
日付 | お支払い | お預かり | お取引内容 | 差引残高 |
8月26日 | 5,545円 | 消耗品費 | 280,269円 | |
8月27日 | 64,515円 | 旅費交通費 | 215,754円 | |
9月6日 | 27,853円 | 通信費 | 187,901円 | |
9月6日 | 4,900円 | 商品売上 | 192,801円 | |
9月7日 | 239,900円 | その他売上 | 432,701円 | |
9月10日 | 20,000円 | 消耗品費 | 412,701円 | |
9月10日 | 76,865円 | 旅費交通費 | 335,836円 | |
合計 | 194,778円 | 244,800円 |
複式簿記はこんな感じ
日付 | 借方 | 貸方 |
8月26日 | 消耗品費 5,545円 | 未払金 5,545円 |
8月27日 | 旅費交通費 64,515円 | 現金 64,515円 |
9月6日 | 通信費 27,853円 | 未払金 27,853円 |
9月6日 | 商品売上 4,900円 | 商品Aの売上 4,900円 |
9月7日 | その他売上 239,900円 | 商品その他売上 239,900円 |
9月10日 | 消耗品費 20,000円 | 未払金 20,000円 |
9月10日 | 旅費交通費 76,865円 | 現金 76,865円 |
この複式簿記で表した銀行口座は以下の複式簿記の基本を元にしています。
複式簿記のメリット
- 最大65万円の青色申告特別控除を受けられる
- 貸借対照表や損益計算書の作成がカンタンになる
- 決算書や財務諸表を作成することができる
- 財産や損益の状況を把握できる
複式簿記は適正な会計処理が保証される
青色申告特別控除に複式簿記が必須の理由は、適正な会計処理が保証されるからです。
複式簿記について詳しくは別記事にしています。

複雑なe-Taxをカンタンにクリアする方法
複雑なe-Taxの設定をよりカンタンにクリアする方法は、
クラウド会計ソフトのサポートで助けてもらう
ことです。
これらをクリアするのは大変
その時々の目的によって、以下のすべてを理解したり、やらなければならないわけではありませんが、これらからいくつかの項目だけやるにしても大変であり、複雑なのです。
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e-Taxの設定が複雑な件について詳しくは別記事にしています。

青色申告と白色申告の違いってなに?見た目? 最大65万円の青色申告特別控除を受けられるか
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青色申告は最大65万円の青色申告特別控除を受けられ、白色申告は受けられません。
青色申告が推奨される理由は? 複式簿記による経営の可視化
- 貸借対照表や損益計算書の作成がカンタンになる
- 決算書や財務諸表を作成することができる
- 財産や損益の状況を把握できる
青色申告と白色申告の見た目は違う? 一覧にしてみた
白色申告 | 青色申告10万円控除 | 青色申告65万円控除 | ||
事前申請 | 不要 | 開業届 | ||
青色申告承認申請書 | ||||
記帳方法 | 単式簿記 | 簡易簿記 | 複式簿記 | |
確定申告書類 | 確定申告書B | 確定申告書B | 確定申告書B | |
収支内訳書 | 青色申告決算書 (賃借対照表は不要) | 青色申告決算書 (賃借対照表が必要) | ||
帳簿 | 法定帳簿 | 現金出納帳 | 主要簿 | 補助簿 |
売掛帳 | 総勘定帳 | 現金出納帳 | ||
買掛帳 | 仕訳帳 | 売掛帳 | ||
固定資産台帳 | 買掛帳 | |||
経費帳 | 固定資産台帳など |
事前申請としての開業届、青色申告承認申請書についても記事にしています。

どうしても白色申告したい人は
青色申告をすると、最大65万円の青色申告特別控除が受けられる。
クラウド会計ソフトを使えば、複式簿記もできて、e-Tax要件もクリアできる。
それでもどうしても白色申告がしたいのであれば、白色申告専用のクラウド会計ソフトもあります。

青色申告と白色申告の違いは最大65万円の青色申告特別控除が受けられるか受けられないか
- 青色申告は最大65万円の青色申告特別控除が受けられる
- 白色申告は最大65万円の青色申告特別控除が受けられない
青色申告と白色申告のメリット、デメリット
青色申告と白色申告のメリット
青色申告 | 白色申告 | |
65万円の青色申告特別控除 | 〇 | × |
青色事業専従者給与を必要経費に | 〇 | × |
純損失の繰越しと繰戻し | 〇 | × |
貸倒引当金を計上できる | 〇 | × |
記帳方法がカンタン | × | 〇 |
青色申告と白色申告のデメリット
青色申告 | 白色申告 | |
控除が少ない | 〇 | × |
記帳方法が複雑 | × | 〇 |
青色申告と白色申告のメリット
- 最大65万円の青色申告特別控除
- 青色事業専従者給与を必要経費に
- 純損失の繰越しと繰戻し
- 貸倒引当金を計上できる
純損失の繰越しと繰戻し
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青色申告と白色申告の違いについて、詳しくは別記事にしています。

確定申告の計算方法は? 確定申告をすると、所得税、住民税、国民健康保険税が決まる
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所得税の計算方法
所得税=課税所得×所得税率
課税所得=所得–控除
所得=収入–経費
所得税率とは
所得税は累進課税です。
課税される所得金額 | 税率 |
1,000円 から 1,949,000円まで | 5% |
1,950,000円 から 3,299,000円まで | 10% |
3,300,000円 から 6,949,000円まで | 20% |
6,950,000円 から 8,999,000円まで | 23% |
9,000,000円 から 17,999,000円まで | 33% |
18,000,000円 から 39,999,000円まで | 40% |
40,000,000円 以上 | 45% |
※出典国税庁HP

わかりやすくすると、
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
1,000円 から 1,949,000円まで | 5% | 0円 |
1,950,000円 から 3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
3,300,000円 から 6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
6,950,000円 から 8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
9,000,000円 から 17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円 から 39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円 以上 | 45% | 4,796,000円 |
※出典国税庁HP
5,000,000円×20%-427,500円=572,500円
所得控除とは
- 雑損控除
- 医療費控除
- 社会保険料控除
- 小規模企業共済等掛金控除
- 生命保険料控除
- 地震保険料控除
- 寄付金控除
- 寡婦・寡夫控除
- 勤労学生控除
- 障害者控除
- 配偶者控除
- 配偶者特別控除
- 扶養控除
- 基礎控除
- 青色申告特別控除
税額控除とは
- マイホームの取得等と所得税の税額控除
- 居住者に係る外国税額控除
- 非居住者に係る外国税額控除
- 配当所得があるとき(配当控除)
- 政党等寄附金特別控除制度
- 認定NPO法人に寄附をしたとき
- 公益社団法人等に寄附をしたとき
- 試験研究費の総額に係る税額控除制度
- 特別試験研究に係る税額控除制度
- 雇用者の数が増加した場合の税額控除
- 雇用者給与等支給額が増加した場合の税額控除
住民税の計算方法
- 住民税には道府県民税と市町村民税がある
- 住民税には所得割と均等割がある
- 市町村民税は6%
- 道府県民税は4%
- 市町村民税は3,500円
- 道府県民税は1,500円
国民健康保険税の計算方法
国民健康保険税は市町村によって違います。
国民健康保険税には平等割、均等割、所得割があります。
さいたま市の例 計算例(令和3年度) 課税標準所得額 医療分 支援分 介護分 年税額 |
佐賀県鹿島市の例 令和3年度課税計算方法(例) A.世帯主 48歳 自営業 所得額 1,800,000円 B.妻 45歳 専従給与収入額 1,000,000円(所得額 350,000円) C.祖 父 69歳 公的年金収入額 2,000,000円(所得額 800,000円) D.長 女 12歳 所得なし 医療分 後期高齢支援金分 介護納付金分 I. 医療分の計算 所得割額 均等割額 所得割額 均等割額 所得割額 |
「各市町村名」プラス「国民健康保険税 試算」でGoogle検索をすると、「試算シート」や「試算フォーム」のページを検索することができます。
確定申告で計算される所得税、住民税、国民健康保険税について詳しくは別記事にしています。
>確定申告で計算される所得税、住民税、国民健康保険税についてくわしくはこちら

確定申告をなるべくわかりやすくカンタンに説明します
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確定申告書類を作成する
基本的に所得税や住民税は確定申告することにより決定されます。
誰にでも必要な可能性のある確定申告。確定申告に必要な書類について書いてみたいと思います。
確定申告に必要な書類
- 個人事業主、フリーランスなど
- サラリーマン
- 年金受給者
個人事業主、フリーランスなど
個人事業主、フリーランスなど | ||
青色申告 | 白色申告 | |
確定申告書B | 〇 | 〇 |
青色申告決算書 | 〇 | |
収支内訳書 | 〇 | |
各種控除書類 | △ | △ |
源泉徴収票 | △ | △ |
サラリーマン
サラーリマン | ||||||||||
2,000万超 | 住宅ローン控除 | ふるさと納税 | 医療費控除 | 災害、盗難被害 | 仕事の支出 | 2箇所以上給与 | 年末調整漏れ | 年の途中退職 | ||
雑損控除 | 災害減免法 | |||||||||
確定申告書A | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
収支内訳書 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
住宅借入金等特別控除額の計算明細書 | 〇 | |||||||||
借入金残高証明書 | 〇 | |||||||||
住民票 | 〇 | |||||||||
建物・土地の登記事項証明書 | 〇 | |||||||||
建物・土地の不動産売買契約書(請負契約書)のコピー | 〇 | |||||||||
寄附金受領証明書 | 〇 | |||||||||
医療費控除の明細書 | 〇 | |||||||||
領収証などの証明書類 | 〇 | |||||||||
損害金額明細 | 〇 | |||||||||
会社からの証明書 | 〇 | |||||||||
経費の金額を証明できる書類 | 〇 | |||||||||
報酬支払調書 | 〇 | 〇 | ||||||||
源泉徴収票 | 〇 | 〇 | 〇 | |||||||
生命保険・地震保険料控除証明書 | 〇 | |||||||||
国民健康保険控除証明書 | 〇 | |||||||||
国民年金保険料控除証明書 | 〇 |
年金受給者
公的年金等の収入金額(2ヵ所以上ある場合は合計額)が400万円を超える場合は確定申告が必要です。
※400万円以下の場合は、確定申告不要
公的年金等の源泉徴収票 | 〇 |
生命保険、地震保険料控除証明書 | △ |
社会保険料控除証明書 | △ |
国民年金保険料控除証明書 | △ |
小規模企業共済等掛金控除証明書 | △ |
住宅ローン控除(2年目以降) | △ |
医療費控除 | △ |
寡婦(夫)控除 | △ |
配偶者控除 | △ |
扶養控除 | △ |
障害者控除 | △ |
税務署に提出する
確定申告 提出方法は3つ
- e-Tax
- 税務署に持って行く
- 郵送する
確定申告は確定申告書類を提出しますが、その提出方法には主に3つあります。
それは、e-Tax、税務署に持って行く、郵送するです。
ただ、今は最大65万円の青色申告特別控除を受けられる条件にe-Taxがありますので、そういった意味ではe-Tax一択と言っていいでしょう。
e-Tax
e-Taxのメリット
- 最大65万円の青色申告特別控除の適用要件
- 自宅でできる
- 24時間できる(例外あり)
- 提出書類の省略
- 還付が早い
e-Taxのデメリット
- 設定が複雑怪奇
- スマホもしくはICカードリーダーライターが必要
- 国税庁の確定申告書等作成コーナー&e-Taxは使い勝手が悪い
税務署に持って行く
税務署に持って行くメリット
- 確実性
- その場で相談できる
- 達成感
- その場で受付印を押した控えがもらえる
- 確実性
税務署に持って行くデメリット
- 忙しい
- 混んでる
- 時間を気にしなければならない
- 不備があった場合二度手間
- 寒い
- コロナもある
税務署に持って行くときの注意点
- 開庁時間
- 提出書類の確認
郵送する
確定申告書類に提出は郵送でもできます。
郵送のメリット
- 税務署に行かなくていい
- 返信用封筒を同封すれば受付印を押した申告書を返送してもらえる
郵送のデメリット
- 税務署の税務職員にその場でチェックしてもらえない
- 受付印を押した申告書をその場でもらえない
郵送の注意点
- 確定申告書類は第一種郵便物または信書で送付
- 宅配便はダメ(ゆうパック、ゆうメール、ゆうパケット、クリックポストもダメ)
- 提出日は消印の日付
- 書類の不備に注意
- 添付書類は添付書類用の台紙に
確定申告はパートも必要なの? しなくてはいけない人、しなくていい人、したほうがいい人がいる
確定申告をしなければいけないパートの人
- 年末調整を行っていない人
- 途中で無職となった人
- 副業が20万円を超える人
- 転職後、転職前の会社の源泉徴収票を提出していない人
- 2つ以上の会社から給与をもらっている人
確定申告をしなくていいパートの人
- 転職をした人で、退職した会社の源泉徴収票を転職後に提出した人
- 副業をしている人で、本業で年末調整を行っている人(副業の所得が20万円以下)
- 副業をしている人で、1社で年末調整を行っている人(2つ以上の会社で勤務)
- 年収103万円以下の人
確定申告(還付申告)をしたほうがいいパートの人
- 医療費控除
- セルフメディケーション税制
- 源泉徴収税額が0円
確定申告はアルバイトも必要なの? しなくてはいけない人、しなくていい人、したほうがいい人がいる
パート、アルバイト、名称は違っても基本的に内容は同じです。
確定申告をしなくていけないアルバイトの人
- 年末調整を行っていない人
- 途中で無職となった人
- 副業が20万円を超える人
- 転職後、転職前の会社の源泉徴収票を提出していない人
- 2つ以上の会社から給与をもらっている人
確定申告をしなくていいアルバイトの人
- 転職をした人で、退職した会社の源泉徴収票を転職先に提出した人
- 副業をしている人で、本業で年末調整を行っている人(副業の所得が20万円以下)
- 副業をしている人で、1社で年末調整を行っている人(2つ以上の会社で勤務)
- 年収103万円以下の人
確定申告をしたほうがいいアルバイトの人
- 医療費控除
- セルフメディケーション税制
- 源泉徴収税額が0円
確定申告しなくていい人はだれ? 年収103万円以下など
確定申告をしなくていい人
- 転職をした人で、退職した会社の源泉徴収票を転職先に提出した人
- 副業をしている人で、本業で年末調整を行っている人(副業が20万円以下)
- 副業をしている人で、1社で年末調整を行っている人(2つ以上の会社で勤務)
- 年収103万円以下の人
確定申告が必要な人はだれ? サラリーマンも確定申告の必要があるときがある
具体的にサラリーマンが確定申告をしなければならない時
- 2,000万を超える給与
- 20万を超える副収入
- 副業で2ヶ所以上給与&2ヶ所とも20万を超える
確定申告(還付申告)をしたほうがいい人はだれ? 年間で10万円以上の医療費を払った人など
確定申告(還付申告)ができるとき
- 年の途中で退職し、年末調整を受けずに源泉徴収税額が納め過ぎとなっているとき
- 一定の要件のマイホームの取得などをして、住宅ローンがあるとき
- マイホームに特定の改修工事をしたとき
- 認定住宅の新築等をした場合(認定住宅新築等特別税額控除)
- 災害や盗難などで資産に損害を受けたとき
- 特定支出控除の適用を受けるとき
- 多額の医療費を支出したとき
- 特定の寄附をしたとき
- 上場株式等に係る譲渡損失の金額を申告分離課税を選択した上場株式等に係る配当所得等の金額から控除したとき

確定申告のいつからいつまで
確定申告で申告するのは1月から12月までの1年間分です。
確定申告は1月から12月までの収入です。
確定申告は1月から12月までの領収書です。
2022年(令和4年)の確定申告の対象期間は2021年(令和3年)1月1日から2021年(令和3年)12月31日までの1年間です。
2022年(令和4年)の確定申告は2022年(令和4年)は2月16日(水)~3月15日(火)となります。
2021年にかかった医療費の確定申告(還付申告)期間は2022年1月4日から2026年12月28日です。
※土日祝日の場合は翌月曜日及び年末年始(12月29日から1月3日)は閉庁日
確定申告のいつからいつまでについては別記事にて詳細に書いています。

確定申告のやり方については別記事にて
確定申告をなるべくわかりやすくカンタンに説明についてくわしくは別記事にしています。

青色申告がトクなのはわかったからどうすればいい? クラウド会計ソフトを使うべき
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ということで、結局例えば年収500万円だとすると、白色申告より青色申告の方が15万8000円の節税になるという試算結果がでました。
青色申告をするには複式簿記が必要です。複式簿記は難しい。青色申告に必須のe-Taxも設定が大変。
そこでおススメするのがクラウド会計ソフトです。
無料お試しがあります。またやよいの青色申告オンラインは1年間無料です。ただし無料お試しもやよいの青色申告オンラインの無料もサポートはついていません。
「カンタンカンタン」と言ってもサポートなしでは難しいです。サポートをつけるとだいたい月1,000円くらい。
年間1万2,000円と白色申告と青色申告の差額年間15万8000円。

まとめ
青色申告特別控除を受けたい? 3つの問題をクリアする ということでしたが、青色申告特別控除を理解する、複式簿記をカンタンにやる、複雑なe-Taxの設定をカンタンにクリアすべく、まとめてみました。
最大65万円の青色申告特別控除を理解するために、青色申告特別控除のシミュレーションをしてみました。
複式簿記を超入門的に説明するには、単式簿記と比較するとわかりやすいです。
複雑なe-Taxの設定をよりカンタンにクリアするには、クラウド会計ソフトのサポートに助けてもらいます。
青色申告と白色申告の違いについては、大きなところでは、最大65万円の青色申告特別控除を受けられるかどうかになります。
確定申告の計算方法については、所得税、住民税、国民健康保険税それぞれ違います。
青色申告がトクなのはわかったからどうすればいいかと言うのなら、 クラウド会計ソフトトを使うべきだと言いたいです。
確定申告とは何なのか?をなるべくわかりやすくカンタンに説明しました。
確定申告にまつわる、いつからいつまでですが、収入は1月から12月までの収入。
領収書は1月から12月までの領収書。
2022年(令和4年)の確定申告の対象期間は 、2021年(令和3年)1月1日から2021年(令和3年)12月31日までの1年間。
2022年の確定申告期間は、2022年(令和4年)は2月16日(水)~3月15日(火)です。