個人事業主、フリーランスで売上があった場合、その金額が20万円を超えれば確定申告をしなければなりません。
そこで、フリーランス?個人事業主、フリーランスなど?青色申告?と意外と聞きなれてはいても、実際本当の意味はわかっていないということはないでしょうか?
目標は最大65万円の青色申告特別控除を受けること。それには青色申告が必要で、さらに個人事業主、フリーランスなどでなくてはなりません。
曖昧なことは明確にし、ムダなく、かつコスパよく青色申告特別控除を受けましょう。
個人事業主、フリーランスなどが確定申告を青色申告するやり方は?
開業→複式簿記→e-Tax
個人事業主、フリーランスなどが確定申告を青色申告するやり方は? 開業→複式簿記→e-Tax
個人事業主、フリーランスなどが確定申告を青色申告するやり方は、開業して、複式簿記で記帳してe-Taxで確定申告することです。
青色申告で確定申告するやり方については、今回と別の視点でまとめた記事がありますのでご参照ください。

今回は、個人事業主、フリーランスなどが確定申告を青色申告するやり方を順を追ってみていきたいと思います。
個人事業主、フリーランスなどってなに? 法人との違いやフリーランスとの違い
まず個人事業主、フリーランスなどとはなんなのでしょうか?
なんとなくサラーリマンではなく、自分で事業を行っているというイメージはわくと思うのですが、細かく認識している人はあまりいないのではないでしょうか?
個人事業主、フリーランスなどとはなんなのか?を知るには法人との違いを知ることが近道だと思います。
個人事業主、フリーランスなどと法人の違い
以下、簡単ではありますが個人事業主、フリーランスなどと法人の違いをまとめてみました。
ここで法人とはなにか?という問題にもなるのですが、主題とは異なるので簡単に説明します。
本来、権利を得たり義務を負担するのは、通常は人(自然人)です。
ただし、法律が権利・義務の主体として認めた団体や目的財産を法人として人(自然人)と同様に扱うということです。
と、これでは私自身なんのことやらさっぱりわかりません。
なぜわからないかというと、すでに日常、会社などの法人が権利・義務の主体として活動しているのが当たり前の世の中に住んでいるからだと思います。
つまり、わかりやすく書くと「本来権利を得たり義務を負担するのは、通常は人(自然人)」だということです。
そして、「会社などの法人が権利・義務の主体として活動している」ことが、言ってみれば、無理やり人(自然人)ではない団体に人格を与えていると考えた方がわかりやすいのだと思います。
以下のように個人事業主、フリーランスなどと法人には違いがあり、簡単に言うと、
- 個人事業主、フリーランスなどは開業するのがカンタンだが税金が高い
- 法人は設立にハードルが高いが税金が安い
ということになります。
個人事業主、フリーランスなど | 法人 | |
必要事項 | 税務署に開業届を提出 | 法務局に登記 |
必要なもの | 開業届 | 登記や定款など |
設立費用 | 0円 | 20万円~30万円 |
廃業時 | 税務署に廃業届を提出 | 解散、清算の登記など |
税金 | 所得税、 個人事業税など | 法人税など |
税率 | 最大50%超 | 30%程度 |
個人事業主、フリーランスなどとフリーランスの違い
似ているようで違うような・・・
個人事業主、フリーランスなどとフリーランスの違いについてみていきます。
結論から言うと、
- 個人事業主、フリーランスなどは税法上の区分
- フリーランスは働き方
ということになります。
個人事業主、フリーランスなどは税法上の区分
簡単に言うと、雇用され、就業規則に縛られる、サラーリマンではなく、自由に働くことがフリーランスです。
そのフリーランスの中で開業(税務署に開業届を出した)した人は個人事業主、フリーランスなどです。
フリーランスの人は、個人事業主、フリーランスなどになってはじめて青色申告をすることができ、最大65万円の青色申告特別控除が受けられるのです。
フリーランスは働き方
フリーランスは働き方です。
もっともわかりやすいのはサラーリマンとの比較です。
会社と雇用契約を結んで、会社の就業規則を守り働くのがサラーリマンです。
単純に言えば、始業終業就業時間を守り、会社(上司)の命令に従うのがサラーリマンです。
逆にフリーランスは働く場所も、働く時間も、働き方も、どんな仕事をするかも、すべて自分の自由(フリー)です。
なんらかの法律で、「こうこうこういう要件を満たす人はフリーランス」と決まっているわけではありません。
一般的な働き方の総称です。
個人事業主、フリーランスなど、フリーランス、法人の関係
つまり、フリーランスというサラーリマンと違う働き方があって、フリーランスの中には開業した個人事業主、フリーランスなどや法人化した人もいます。
またフリーランスでも個人事業主、フリーランスなどにも法人にもならない個人もいて、個人事業主、フリーランスなどや法人化する目的を考えるとわかりますが、そのような個人事業主、フリーランスなどにも法人にもならない個人は白色申告をするということになります。
個人事業主、フリーランスなどが青色申告する第一歩 開業
さて、個人事業主、フリーランスなどが青色申告する第一歩としては開業があります。
開業すると言っても、開業届を税務署に提出するだけです。
上述のとおりフリーランスなどの個人が個人事業主、フリーランスなどになる目的は青色申告です。
青色申告が目的なのであれば、開業届とともに青色申告承認申請書が必要になります。
開業届と青色申告承認申請書の提出についてはレビュー記事がありますので、ご参照ください。

注意点:提出期限は青色申告承認申請書の方が厳密
開業届、青色申告承認申請書提出の注意点としては提出期限です。
開業届は罰則もなく実質いつでもOKなのですが、青色申告承認申請書は基本2ヶ月、1月1日から1月15日は変則。また白色申告から青色申告に変える際にはかなりタイトなスケジュールになっています。
青色申告承認申請書の提出期限
青色申告承認申請書 | |
事業開始&青色申告への移行 | 提出期限 |
1月1日から1月15日 | 3月15日 |
1月16日から12月31日 | 2ヶ月以内 |
前年以前 | 3月15日 |
開業届の提出期限
開業届 |
1ヶ月以内 |
青色申告承認申請書、開業届の提出期限についてくわしくは別記事にしています。
>色申告承認申請書、開業届の提出期限についてくわしくはこちら

難しい複式簿記だから信用が担保されて控除額が多い
税務職員も「個人で複式簿記はムリ」と言っていた
私が開業するとすぐに税務署主催の記帳指導の案内が来ました。
青色申告やる気満々の私でしたが、税務職員は「個人で複式簿記はムリ」と言っていました。

難しいけど捨てがたい最大65万円の青色申告特別控除
最大65万円の青色申告特別控除をシミュレーションしてみました。
やはりこのように青色申告と白色申告の違い、つまり最大65万円の青色申告特別控除があるのとないのではここまで違いがあると、難しいとはいえ青色申告一択になると思います。
年収 | 白色申告 | 青色申告 | 差額 |
2,000,000 | 101,000 | 0 | -101,000 |
4,000,000 | 317,000 | 159,000 | -158,000 |
6,000,000 | 543,000 | 385,000 | -158,000 |
8,000,000 | 796,000 | 610,000 | -186,000 |
10,000,000 | 1,074,000 | 874,000 | -200,000 |
12,000,000 | 1,433,000 | 1,174,000 | -259,000 |
14,000,000 | 1,794,000 | 1,535,000 | -259,000 |
16,000,000 | 2,163,000 | 1,904,000 | -259,000 |
18,000,000 | 2,531,000 | 2,299,000 | -232,000 |
20,000,000 | 2,870,000 | 2,652,000 | -218,000 |
学ぶ?任せる?複式簿記
はじめに考えるべきは税理士でしょう。
もちろん、売上がたくさんあって、青色申告、確定申告に割く時間があるのであれば、本業に注力すべし、という方は税理士に丸投げするのがコスパよしです。タイムイズマネーです。
しかし、税理士に頼む余裕はない、税理士費用はもったいない。という方は自分でやるしかありません。
税理士費用目安 | |
売上 | 税理士料金 |
500万円未満 | 10万円 |
500万円以上1000万円未満 | 15万円 |
1000万円 | 20万円 |
いつも私は書くのですが、このように節税効果の高い最大65万円の青色申告特別控除を受けるために難しい複式簿記を学ぶ必要があるのか?という問題です。
税理士になったり、企業の経理部門で働いたりしないのであれば、複式簿記を学ぶ必要はないと思うのです。
そこで税理士に頼むことなく、かつ複式簿記を学ばなくてもコスパよく最大65万円の青色申告特別控除が受けられる方法としては、クラウド会計ソフトになります。

個人事業主、フリーランスなどが確定申告を青色申告でする最後の砦はe-Tax
個人事業主、フリーランスなどとはどういう人なのか?
青色申告に必須の開業、複式簿記をコスパよくクリアする方法を説明してきました。
さて、最後の砦はe-Taxだと書きましたが、正確には「電子帳簿保存もしくはe-Tax」です。
あらたに個人事業主、フリーランスなどになる人に電子帳簿保存は必要ない
2022年(令和4年)1月に改正電子帳簿保存法が施行されることになっていました。
しかし、それは2年間猶予期間が設けられました。
「2022年(令和4年)1月に改正電子帳簿保存法が施行」と聞くと、「これは義務か?」と感じられるかもしれません。
しかし、2年間猶予期間後も電子帳簿保存が義務化されるわけではありません。
そもそも電子帳簿保存は事業の請求書や領収書の電子化にともない、より効率的にこれらの作業を行うために設けられた制度で、今回の改正電子帳簿法についても、今まで電子帳簿保存法にもとづいて電子帳簿保存を行っていた企業に対する要件の緩和や厳格化が目的です。
つまり、これから青色申告、確定申告をする個人事業主、フリーランスなどが無理に電子帳簿保存をする必要はないのです。

とはいえ、e-Taxも難しい・・・
これから青色申告、確定申告をする個人事業主、フリーランスなどが無理に電子帳簿保存をする必要はありません。
となると、「電子帳簿保存かe-Tax」のe-Taxということになります。
しかし電子帳簿保存ほどではないにしてもe-Taxの導入もそれなりの覚悟が必要です。
以下、状況によりすべてとは言わなくても、e-Tax導入に必要な事項です。
|

さらに確定申告書等作成コーナーは使い勝手が悪い
普通にe-Taxを単体で使うとなると、確定申告書等作成コーナーを使うのが常道となります。
できるだけカンタンに確定申告書等作成コーナーがどのようなものかをまとめてみました。
確定申告書 | 青色申告 決算書 | パソコン e-Tax送信 | スマホ e-Tax送信 | 明細計算 | 確定申告 ソフト データ 取り込み | |
確定申告書等作成コーナー | 〇 | 〇 スマホでは× | 〇 | 青色×白色〇 | × | × |
e-Taxソフト(WEB版) | × | × | 〇 | △ | × | 〇 |
e-Taxソフト(SP版) | × | × | × | △ | × | × |
e-Taxソフト | 〇 | 〇 | 〇 | × | × | 〇 |
クラウド 確定申告 ソフト | 〇 | 〇 | 〇 | 〇※ | 〇 | – |

おススメはクラウド会計ソフト
まず、freee会計とマネーフォワード クラウド会計ならば、クラウド会計ソフトで確定申告書類(確定申告書B、青色申告決算書など)を作成し、そのままfreee会計とマネーフォワード クラウド会計それぞれの機能でe-Tax送信にて青色申告、確定申告ができます。
またやよいの青色申告オンラインの場合は、Windowsでe-Tax送信にて青色申告、確定申告ができます。
さらに2次元バーコード(QRコード)認証を使えば、クラウド会計ソフトで作成した確定申告書類(確定申告書B、青色申告決算書など)をe-Taxソフト(WEB版)もしくはダウンロード版e-Taxソフトでe-Tax送信できます。

つまり、「e-Taxを使う」という要件を満たし、青色申告することができるのです。
まとめ
個人事業主、フリーランスなどが確定申告を青色申告するやり方は?ということでしたが、開業し、複式簿記をしてe-Taxで申告です。
個人事業主、フリーランスなどとはなにか?については、法人との違いやフリーランスとの違いで説明してみました。
個人事業主、フリーランスなどが青色申告する第一歩は開業です。
難しい複式簿記だから信用が担保されて控除額が多いのです。